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「無線が通じていれば・・・」救助に向かうも高波で断念 遭難事故で新たに3人発見(2022年4月28日)
北海道・知床沖で起きた観光船の遭難事故で、28日夕方、新たに3人が発見されました。
これまでに、知床岬周辺で10人、岬の東側の沖で加藤七菜子さん(3)が見つかっています。今回の3人は、それよりさらに南の海上で見つかりました。全員が男性で、ライフジャケットを付け、海面に浮いた状態でした。『KAZU1』が出航したウトロ漁港とは、知床半島を挟んだ反対側です。依然12人の行方がわかっておらず、船体も見つかっていません。
27日に会見を行った運航会社『知床遊覧船』の桂田精一社長は28日、遺体安置所となっている施設を訪れ、献花台の前で手を合わせました。
緊急時、無くてはならない連絡手段。『知床遊覧船』の事務所の屋上に設置されている無線のアンテナは折れてしまっています。27日の会見で、桂田社長は無線の故障に気が付いたのは、当日の朝だったと説明しました。
知床遊覧船・桂田精一社長:「私も気づかず(当日)朝8時半に言われたような状況。9時10分くらいに専門の電機屋さんに電話してある」
修理の依頼をしたという会社に話を聞くことができました。着信履歴を確認してもらうと、午前9時23分で、番号は桂田社長の個人携帯でした。ただ、この会社は、普段から取引がなかったので、断ったといいます。
事故当日、『知床遊覧船』の事務所にいたという人物を取材しました。事務所の中にいたのは、全部で3人。アンテナは、もっと以前に壊れていたといいます。
事故当日事務所にいた人:「2月、1月かもしれない。たまたま事務所前を通ったときに、いつもと風景が違うなと思って、パッと見たら下に(アンテナが)落ちてた」
このことを『KAZU1』の豊田船長に伝えたそうです。
事故当日事務所にいた人:「(Q.そのとき豊田船長は何と)『えーっ』という感じだった。だから『営業開始前には直さなきゃ』とは言っている。(Q.豊田船長はアンテナは営業開始前に直しておくという認識か)そうじゃないか。それが桂田社長に伝わっているか『もうちょっと待て』とストップがかかっているかはわからない」
しかし、当日、無線は使えない状態でした。通常なら、主なポイントを通過したとき、船長から、その都度、無線が入っていたといいます。連絡がないうえ、『KAZU1』は時間になっても港に戻ってきませんでした。
午後1時ごろ、自社の無線で、偶然、『KAZU1』の通信を聞いた人が、事務所に知らせに来ました。
事故当日事務所にいた人:「最初は『カシュニ通過』だった。『波が高いから遅れる』と。(Q.その連絡は他社からどうやってきた)隣なので、早歩きでやってきて。(Q.その次にどういう連絡が来たのか)前の方が浸水してきて、30度傾いてるから、『救命胴衣着せろ』とかいう感じのことを言ってる。慌てていて、何か大変なことになってると」
最初の118番通報は午後1時13分。この約5分後、『KAZU1』から海上保安庁に携帯電話で「船首が浸水した。エンジンが使えない。カシュニの滝のすぐそば。救助、頼みます」と連絡が入りました。
連絡があったのは、この1回のみ。このあと、携帯電話はつながらなくなったといいます。
事故当日事務所にいた人:「私ともう一人の知っている人で、『KAZU3』で迎えに行こうと。船に一回乗ったが。でも波を見たら、『これは行けないわ』と戻った。(Q.港で社長の姿は見たか)港では見てない。『大変なことになってるよ』と言って夕方に現れた。無線が通じていれば、今までの態勢だったら『どうや、そっちシケてるか』とかと話すように絶対するから『無理しないで帰ってこい』という話もあったかも」
※「1(ワン)」「3(スリー)」は正しくはローマ数字
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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