「稼いだら店でも会える」歌舞伎町のホスト 女性客に“立ちんぼ”行為そそのかした疑いで異例の逮捕｜TBS NEWS DIG
東京・新宿歌舞伎町でいわゆる“立ちんぼ”行為をするよう女性客をそそのかしたとして、ホストの男が逮捕されました。ホストのために客待ちをしていた女性が取材に応じ、「妊娠しながら売春を繰り返している人もいる」と証言しました。
平日の午後8時、新宿・歌舞伎町の一角に集まる女性たち。
記者
「路上に立っていた女性に男性が声をかけ、何か話しています。今、男性と女性2人で歩いていきますね。交渉が成立したのでしょうか?」
女性記者がわずか数秒立ち止まっただけでも…
男性「いくら?1.5（1万5000円）だったらいい?」
警視庁はこれまで売春相手の客待ち、いわゆる“立ちんぼ”行為をする女性をたびたび摘発してきましたが、今回は歌舞伎町のホストクラブで「森のくまさん」を名乗っていた江川誉容疑者（25）を逮捕。
江川容疑者
「公園に行ったらいっぱい並んでいるから、待ち合わせしているふりして並んでいたらいいよ」
江川容疑者は自分の女性客（当時23）にSNSでメッセージを送ってそそのかし、今月10日、歌舞伎町の路上で客待ちをさせた疑いがもたれています。
江川容疑者
「稼いだら店でも会えるし、売掛金の返済もできる」
江川容疑者は女性客が稼いだ金の8割ほどを回収し、「売り上げや指名の本数を増やすためだった」と容疑を認めているということです。
なぜホストのために客待ちに手を染めるのでしょうか?実際に客待ちしていた女性に話を聞くことができました。
ホストのために客待ち
「大体1時間15（1万5000円）くらいで本番みたいな。6時間から8時間ぐらい立って4人、5人ぐらい」
女性はたびたび関西から上京し、ネットカフェに宿泊しながら客待ちで稼いだ金をホストクラブで使うといいます。
ホストのために客待ち
「（ホストに）使いに行っちゃいますね。ホストだけじゃなくてアイドル系に貢いでる人もいますし。（Q.ホストから（路上に）立つよう言われたことは?）私は言われてないです。言われてる子はいますね。『お金持ってこい』みたいな人はいますよ」
妊娠して中絶し、また売春を繰り返す女性もいるといいます。
ホストのために客待ち
「（Q.妊娠をしたりとかは？）聞きますけどね、妊娠したみたいな。（妊娠した知り合いは）また戻ってきてる。誰かにお金借りて（子どもを）堕ろして、またそのお金返すためにまた立つみたいな」
去年、歌舞伎町エリアで客待ち行為の疑いで逮捕された51人のうち、8割ほどが20代の女性でした。ホストから“客待ち”をするよう強いられるケースが相次いでいるといいます。
一方で、歌舞伎町で働く女性を支援する団体は、若い女性の“客待ち”が増えている背景の一つに、手軽に情報を手に入れられる現状があると指摘します。
NPO法人「レスキュー・ハブ」 坂本新 代表
「いわゆるTikTokとかYouTubeを使って（行けば買春できるという）動画配信をされていることが多く、困窮している方は『そこに行けば仕事があるかもしれない』と思う方もいるでしょう」
遊ぶカネほしさに気軽に訪れる女性が増える一方で、生活のために来る女性もいるため、警察の取り締まりだけでは解決しないといいます。
NPO法人「レスキュー・ハブ」 坂本新 代表
「今、売春だけが唯一の収入になっている方もいる。今まで入っていた、ただでさえ少ない収入がそこで閉じられてしまう。明日からどうしたらいいのかという方も一定数はいる。取り締まるという観点ももちろん必要ですけれども、取り締まりの法律ではなく、保護するための法律というのも必要なのかなとは思います」
警視庁は去年から支援員を配置していて、「生活保護の受給や就労支援など、社会復帰のサポートをしていく」としています。
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