「安全ではなく退避中も危険が…」避難ルートは陸路か スーダンから邦人ら退避へ(2023年4月24日)

「安全ではなく退避中も危険が…」避難ルートは陸路か スーダンから邦人ら退避へ(2023年4月24日)

「安全ではなく退避中も危険が…」避難ルートは陸路か スーダンから邦人ら退避へ(2023年4月24日)

悪化するスーダン情勢に、各国が国民の国外退避を進めるなか、日本もようやく動きが本格化してきました。

松野官房長官が24日午後4時、会見を行いました。
松野官房長官:「スーダンからの出国を希望する人々の安全な退避が、国際社会にとって最も喫緊の課題となっています。今回、出国を希望するこれらの方々の迅速かつ安全な退避のため、ジブチに移動させて待機中のC130輸送機およびC2輸送機をはじめとする自衛隊部隊を調整が整い次第、スーダンに派遣し、輸送活動を開始することとします」

この会見から1時間後、ジブチに待機していた自衛隊の輸送機2機が、スーダンに向かいました。

3日間の停戦期限は、日本時間24日午後1時まで。自衛隊機が出発したときは、すでに終了していたことになりますが、現地での救助活動に安全上の危険がないと、政府は判断したのかもしれません。人数はわかりませんが、早ければ日本時間24日夜にも、退避した日本人を乗せてジブチに戻ってくるとみられています。

この週末、停戦期間を使った各国の退避が一気に本格化しました。特にアメリカ。23日、あたりが真っ暗ななか、ネイビーシールズが乗った特殊作戦用のヘリ3機が、突如、ハルツームにあるアメリカ大使館の近くに現れました。大使館職員など90人をヘリに乗せ、その場を離れるまで、わずか30分。“救助ミッション”ですが、その手段は完全に“強襲”スタイルでした。

この3日間、退避は陸海空、すべてで行われましたが、各国の用いた方法はさまざまです。しかし、大きく分けると2つの方法が見えてきます。首都・ハルツーム近郊から空路を使うか、陸路で首都を離れてからスーダンを脱出させるかです。

イギリスやフランス、ドイツなどが取ったのは、前者。まず、自国民にハルツームまで来てもらい、派遣した特殊部隊と大使館で合流。護衛してもらいながら、20キロ北にあるスーダン軍の基地に車で向かいます。スーダン国軍との調整がうまくいけば、空路で周辺国へ脱出ができます。

この方法で約100人を退避させたスペイン。脱出した大使は、道中危険はなかったと報告しました。
スペイン・アルバレス外相:「みんな、もう基地にいるのか」
大使:「みんな基地について、パスポートチェックを始めている。すべてはとてもうまくいっている。私たちは70人です。軍のチェックポイントが多くあったが、何事もなく、移動できた」

ただ、停戦中も首都では散発的な戦闘が起きています。護衛がついているとはいえ、その近くを移動するのは、20キロといえど危険が伴います。

事実、フランスの避難車両は、このハルツームからの移動中に攻撃を受け、1人がけがをしたそうです。国軍と民兵組織、どちらの攻撃かは不明で、双方が「相手側がやった」と主張しています。

リスクにさらされる退避ですが、これが邦人退避につながったケースもあります。フランス政府は、これまで軍の輸送機で退避させた388人の中に、日本人2人が含まれると発表しました。
松野官房長官:「(Q.フランス政府が自国民ら388人を退避させ、日本人も含まれると発表。人数や身元、経緯など、政府が把握されている事実関係は)現地の状況等を踏まえながら、鋭意さまざまな案件事態に対応していますが、邦人の安全に関わるため、お答えは差し控えさせていただきたい」

もう1つの退避ルート。輸送拠点となる町まで陸路で移動する方法です。バスやバンなどで車列を組み、ハルツームを脱出。北東にある港湾都市を目指すというものです。最短ルートでも約850キロ。12時間かかる道のりで、複数の国籍の人が寄り集まる形が多く、国連職員などもここに加わっています。

港からは、サウジアラビアのように船を使う国や、ヨルダンのように輸送機での空路を選ぶ国に分かれます。
避難したヨルダン人:「長い道のりだった。ハルツームから1300キロほど離れた地域に向かいました。もちろん陸路で厳しかったですが、ヨルダン大使館の保護のもと、無事にたどり着けました」
避難したヨルダン人:「ルートは安全ではなく、多くの危険がありました。検問所を越えて、市外に出たときに危険が少なくなりました」

日本の避難ルートもこの“陸路”を使ったのではないかとの情報が出ていますが、詳細については明らかになっていません。ただ、日本時間24日午後7時半ごろ、自衛隊の輸送機は、港湾都市・ポートスーダンしたとみられています。

戦闘が続く首都近くの基地から脱出するよりは陸路のほうが安全なのではという声もあります。しかし、カタール大使が乗った車列が道中で略奪にあったということもあり、どの退避方法がベストだったのかは、今後の検証を待つほかありません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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