昭恵氏“涙の選挙戦”安倍家&岸家の「後継」初当選 一方で渦巻く衆院選見据えた思惑(2023年4月24日)

昭恵氏“涙の選挙戦”安倍家&岸家の「後継」初当選 一方で渦巻く衆院選見据えた思惑(2023年4月24日)

昭恵氏“涙の選挙戦”安倍家&岸家の「後継」初当選 一方で渦巻く衆院選見据えた思惑(2023年4月24日)

安倍元総理の死去に伴う山口4区の補選は昭恵夫人が選挙を支えた吉田真次氏が初当選しました。
安倍家と岸家の後継者をめぐって争われた今回の“山口ダブル補選”
水面下では次の衆院選を見据えた思惑も渦巻いていました。

▽「主人の志を継いで」昭恵夫人“涙の勝利”
安倍元総理の後継者として山口4区で当選したのは、下関市議を3期務めた自民党の新人・吉田真次氏。
(自民党 新人 吉田真次氏(38))「この度の選挙、志半ばで命を奪われてしまった安倍晋三先生の無念さを晴らしたい。そしてその思いや魂をみんなで引き継いでみんなで実現をさせていきたい。その気持ちで戦ってきた選挙であります」
つきっきりで吉田氏の選挙戦を支えた昭恵夫人は…
(安倍元総理の妻 昭恵氏)「主人が亡くなりました後、本当に悔しくて悲しい思いでいっぱいでしたけれども、この選挙を通して素晴らしい吉田真次さんが主人の志をしっかりと継いで国政の場に出ていってくださるという、とても感謝の気持ちで今いっぱいでございます。本当におめでとうございます」
一方、岸信夫前防衛大臣の引退に伴う山口2区の補選で当選したのは、長男・信千世氏。
(自民党 新人 岸信千世氏(31))「全力でこの国の、そして県の課題に取り組んで参ります。この選挙でご支援いただいたすべての皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました」
安倍家の牙城・山口4区を後継の吉田氏が制し、岸家の牙城・山口2区を後継の信千世氏が制した“山口ダブル補選”。一方、選挙戦の裏側では次の衆院選に向けた“暗闘”が始まっていました。

▽昭恵夫人も急きょ応援「まさかの展開」“岸家牙城”は
「撮りたい、撮りたい」
投開票日の3日前、急きょ、甥にあたる信千世氏の応援に駆けつけた昭恵夫人。
(昭恵氏)「信千世をお願いします、よろしくお願いします」
(自民党 新人 岸信千世氏(31))「この選挙戦、いま最終盤に突入しておりますけれども、いま大変厳しい状況。最後の最後まで全力で皆さんのために走りきることをまず最初にお誓い申し上げます」
(昭恵氏)「4区の方でずっと走り回っておりますので、なかなかこちらに来る余裕がなかったんですけれども、厳しい選挙を戦っているということで、きっと主人は『信千世の応援に行ってくれ』って言ってるんだろうなと思って今日は来させていただきました。主人は本当にのぶくんのことを可愛がっていて、小さい頃から一緒に遊んで、一緒にゲームをしたりたくさんの思い出があります」
信千世氏の曽祖父は岸信介元総理、その弟は佐藤栄作元総理、伯父は安倍元総理です。
(自民党 安倍派 塩谷立会長代理)「佐藤総理、岸総理、安倍総理、こんな立派な系図はいないんです。大事に誇りに思って頑張ってもらいたい」
信千世氏は立候補を表明した2月、自身のホームページに「家系図」を掲載。血筋を自慢していると批判を浴びました。

野党系無所属の平岡秀夫氏は“世襲批判”を展開します。
(無所属 元職 平岡秀夫氏(69))「今回の私の相手候補は家系図を示して選挙をしようとしている。だけど私はみんなの家計簿を見て(選挙をやる)」
(鳩山由紀夫 元総理)「平岡秀夫をよろしくお願いします。」
「家系図より家計簿、いい言葉ですね。私は家系図によって選ばれた4代目でございますから、選ばれた私から申し上げさせていただきます。家系図で選んじゃいけない」
平岡氏は岸家の牙城・山口2区で過去4回当選。民主党政権で法務大臣も務めました。一方、信千世氏自身にとって今回は「はじめての選挙」。
頼りにするのは、岸家を代々支えてきたスタッフです。
(選挙スタッフ)「佐藤栄作さんの頃からですかね。そのあと息子さん」
(信千世氏)「(佐藤)信二さん」
(選挙スタッフ)「そうそう、あれをやって、それからずっと」
(信千世氏)「親父ですかね」
男性スタッフ「そうそう岸さん、信夫さんやって」
信千世氏はマイクが使えない夜8時以降も街頭に立ち続けていました。
Q.相手候補は世襲を批判していますが?
(自民党 新人 岸信千世氏(31))「いろんなご意見の方がおられるとは承知しておりますし、これから何をするかということが一番重要かなと思いますので」
さらに翌日の早朝も…
「よろしくお願いします、ありがとうございます」
岸家の地盤を継いだにも関わらず「厳しい選挙」を余儀なくされていた信千世氏。選挙戦最終日、そんな信千世氏の応援に駆けつけたのは…林芳正外務大臣です。
(林芳正外務大臣)「この選挙、まさかの展開になっているとお聞きをいたしました。この岩国で勝負が決まる、これがこの選挙であると言っても過言ではない。お父さん(岸信夫氏)のような、おじいちゃん(岸信介氏)のような立派な政治家に皆さんと一緒に育てていこうじゃありませんか」

山口3区選出の林外務大臣。最終日に2区の信千世氏の応援に入りましたが、4区の吉田氏の下にはまだ一度も入っていません。
Q.林さん4区へは入らないんですか?
「…」
実は、山口4区は10増10減に伴う区割り変更で次の衆院選から新3区に編入されます。そのため吉田氏は林大臣と新3区の公認を争うことになります。
信千世氏の選対本部長、柳居県議会議長は林派の重鎮です。
Q.林さんが最終日に来る理由は?
(山口県議会 柳居俊学議長)「それは応援に来るでしょ」
Q.4区には入らないが2区に入るのは駆け引きがあるから?
「ないよ。やめなさいよ。こいつがみんな詳しいんだよ」
Q.林派と安倍派の関係を教えてほしいのですが?
(山口県議会 畑原勇太議員)「僕はもう全然まだ素人みたいなものですから」

▽昭恵夫人“涙の勝利”も…焦点の「8万票」獲得は
安倍家の牙城・山口4区。安倍元総理の後継者、吉田真次氏の選挙戦を昭恵夫人がつきっきりで支えてきました。
(昭恵氏)「主人もこの選挙戦を通してずっとどこかで応援をしてくれていたと思います。本当にこれから吉田さんの活躍を見守って期待をしていると思います。まだまだ明日、投票箱が閉まるまで選挙は続きます。どうぞ一人でも多くの方にお声をかけていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございました」
結局、林外務大臣は最後まで4区の応援には入りませんでした。
Q.2区には林大臣が入ったが?
(自民党 新人 吉田真次氏(38))「そうなんですか?」
Q.来てほしかった?
「そういうことをだれだれに来てほしいとか申し上げるつもりはないので」
実は、4区の下関市は林大臣の地盤でもあり、長年、安倍派と林派が勢力争いを続けてきました。
(山口4区・林派議員)「林さんは4区には来ない。昭恵さんが『吉田候補が8万票取ったら林さんは(4区に)入って来れない』と発言したようだけど、それなら(吉田候補に)票をとってもらわないほうがいいよね」
吉田陣営によれば、目指しているのは前回衆院選で安倍元総理が獲得した約8万票。
(昭恵氏)「どうかみなさんの手で圧倒的な勝利で国政の場に送り出していただき」
安倍家の地盤を守るためには、「圧勝」する必要があるのだといいます。
(自民党・安倍派議員)「仲間内では『8万票では目標が低いのでは?10万票くらいないと』という声もある。区割り変更もあるから票をとらないといけない選挙だ」
Q.目標にしていた8万票は?
(昭恵氏)「わからないですまだ。明日にならないと」
Q.全力でやられた?
「そうですね」

ここからスタジオではテレビ朝日 藤川みな代政治部長に解説していただきます。
(スタジオ解説は映像をご覧ください。)

4月23日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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