防衛費5年間で1.5倍の43兆円 私たちの生活に影響は?|TBS NEWS DIG
岸田総理は5日、来年度から5年間の防衛費の総額についておよそ43兆円を確保するよう、防衛大臣、財務大臣に指示しました。これは現在の1・5倍を超える額です。なぜいま防衛費の増額が必要なのか?この「増額」によって私たちにどんな影響があるのでしょうか?
■防衛費1.5倍以上に増額? 防衛費の中身は?
ホラン千秋キャスター:
防衛費の増額が私たちに影響するのでしょうか?
12月5日、岸田総理は防衛大臣・財務大臣に対し、2023年度から5年間の防衛費の総額、約43兆円の確保を指示しました。
この約43兆円というのは、これまでと比べると1.5倍以上の増額になります。
浜田防衛大臣は「総理から指示をいただいた規模は、防衛省・自衛隊として役割をしっかり果たすことができる水準。身の引き締まる思い」というふうに話しました。
この防衛費というものは、一体どんなものに使われているんでしょうか?
全体を100というふうに考えますと、最も大きく予算が割かれているのが、隊員の給与・食事など人件・糧食費で、全体の42%(2兆1740億円)を占めています。
次いで多いのが訓練・燃料・修理など維持費で、24.7%(1兆2788億円)。
そして新しい戦車や・護衛艦など、装備品購入費が15.8%(8165億円)。
他にも施設整備費が3.7%。そして研究開発費が3.2%など様々なことに使われています。
今回増額した分、どこに重きを置いて充てられるのかなどということはまだ発表されていません。とりあえず、これだけ増額しますよということが決まっているというような状況です。
■防衛費増額なぜ必要?
ホランキャスター:
一体なぜ防衛費の増額が必要になるのか、その要因として、やはり世界情勢、周辺諸国の状況の変化などがあげられます。一つ目は、ロシアによるウクライナ侵攻。それから中国による台湾への“圧力”であったり、北朝鮮による弾道ミサイルの発射などが背景と考えられています。
反撃能力の保有について、これまでは武力攻撃を受けて初めて防衛力を行使するということだったのですが、そこに加えて反撃能力も保有しようということが、先週、与党間で合意されました。
これは、ミサイル攻撃などの兆候がある場合、ミサイルを発射される前に相手国にミサイルを撃つこと、この反撃能力を持とうということです。こういったこともあって、新たなミサイルなどの購入・開発に予算が割かれるということが考えられます。
実際に既に開発が進んでいるものがあるのですが、それが無人機迎撃ミサイルです。近SAMと呼ばれるもので、中型の無人機や巡航ミサイルを迎撃する地対空ミサイルです。2026年までに開発終了して、2029年には配備予定だということです。
■防衛費増額の財源どうする?
ホランキャスター:
防衛費を増額するとなっても、どこからその財源を持ってくるのか、財源の確保はどうするのでしょうか?
星浩TBSスペシャルコメンテーター:
1年~2年、ここから数年は国債発行により防衛費増額を賄うことが検討されています。将来的には増税などで返済していくということなのですが、それ以降は法人税の上乗せを検討しています。
全体として、ウクライナ危機があって、NATO加盟国などの国々が、防衛費2%ということに足並みを揃えました。日本も今までの防衛費1%を少しずつ増額してほしいという呼びかけが、国際社会からあり、それから日本の場合は、中国の台頭の中で、アメリカと一緒にどういうふうにして中国に対して抑止力を利かしていくかということがあります。どうしても今までに配備されてないようなミサイルや、武器弾薬をもう少し整備するなどが必要になってきます。そういったことによる、防衛費増額がどんどん先行していて、本来は防衛の中身と予算と財源というセットで打ち出してもらわなくては困るのですけど、どうもこのところ金額ありきというところになっていて、その辺は非常に問題は出て来ていると思います。
■求められる国民への説明 予算編成に必要な中長期的視点
井上貴博キャスター:
本来は目的を先に定めて、その目的のために必要な金額が出てくるという順序だと思います。あともう一つは、2023年の春に統一地方選挙があるので、増税議論を避けたいという思惑が与党にあると思います。しかし、最終的に一時は、防衛費を国債で賄っても、将来世代にそのツケが回るわけで、いつかは増税になるというのはもう目に見えている。そこの議論を先送りするというのは、責任を放棄しているのに近い。そこをやっぱり先送りせず、議論はしっかりとしないといけないのではないでしょうか。
星浩TBSスペシャルコメンテーター:
こういう防衛装備が必要なのでいくらかかると、そのためには国民にもそれなりの負担を求めると。ドイツという国では、今、社民党政権ですが、今回は防衛費を2%以上にします。加えて、ウクライナに攻撃的な武器まで供与するということをやって、それを国民に説明をして、国民にも負担を求めるということをやっているわけです。
岸田総理も、国民には説明をする必要があるのだと言いな…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221206-6055942)
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