フランス車列に攻撃受け“退避作戦”中止か…日本は?「停戦期限」迫る緊迫のスーダン(2023年4月24日)
内戦が激化するスーダン。停戦の期限まで15時間を切り、各国が退避作戦を行っています。
しかし先ほど、フランスの車列が退避中に攻撃を受けたとの情報も入ってきました。
日本人救出は間に合うのでしょうか
▽“退避中の車列に攻撃”も…至難の「救出作戦」
激しい戦闘が続くアフリカ北東部のスーダン。ここにいる日本人を退避させるため、自衛隊のC130輸送機など3機が日本時間きょう23日未明までに、自衛隊の活動拠点があるジブチに到着しました。安全が確保できるタイミングでスーダンに入り、日本人およそ60人の退避を目指します。一方、アメリカは…
「つい先ほど分かったんですが、ハルツームにいたアメリカの外交職員全員とその家族が、飛行機でハルツームからの退避を完了」
バイデン大統領は22日、「アメリカ軍がスーダンから政府関係者を退避させた」と発表。AP通信によると、退避作戦を実行したのは、アメリカ軍の特殊部隊。MH47大型輸送ヘリ、3機が首都ハルツームのアメリカ大使館の敷地内に着陸。1時間以内におよそ70人の大使館員らを乗せて、空路でエチオピアへ避難させたといいます。
サウジアラビアも、22日、自国民91人を含む157人を退避させたと発表。スーダンから紅海を渡り、対岸のサウジ西部ジッダに船で到着しました。現地メディアによると、スーダンの港までは陸路で移動したといいます。
「お帰りなさい」
スーダンで医療支援を行っている川原さんは…
(認定NPO法人「ロシナンテス」 川原尚行理事長)「今4月23日。ちょうど籠城して9日目となります。外務省から連絡がきて今の住所と外務省、大使館が指定する場所までどうやって行くか、自分たちで行けるかどうかを聞かれた。我々としては自分たちの車で自力で指定された場所に参りますと答えています。自衛隊機がジブチに到着したと聞いている。きょうが停戦3日目最終日となります。暗くなってからでは難しいので、明るいうちに自衛隊機が来てくれることを心から願っている。」
スーダン国軍と民兵組織「RSF」が合意した停戦のタイムリミットまで、あと15時間を切りました。
スーダン出身で東洋大学・客員研究員のモハメド・アブディンさん。今も現地で暮らしている両親や知人の身を案じ、連絡を取り合っています。
(東洋大学 客員研究員 モハメド・アブディンさん(44))「ハルツームの状況はどうですか?」
(現地の知人)「前線が別の場所に移っています。国軍側が攻めています。」
(東洋大学 客員研究員 モハメド・アブディンさん(44))「前よりは“ドンパチ”少なくなったけどあちこちで(戦闘が)起きている。あとは略奪も起きている。RSF本当に食べるものがなくなっているわけです。ドンパチやって供給が断たれているわけですから。食料とかそういったものとったりとか、水とかね。」
3日間72時間の停戦合意。イスラム教の断食月「ラマダン」明けの「イード」と呼ばれる祝日に合わせたものだといいますが、アブディンさんは、別の思惑があるとみています。
(東洋大学 客員研究員 モハメド・アブディンさん(44))「そもそもイスラム教的にラマダンの断食の月、一番人を殺してはいけない時期なのでそういう真っただ中にああいう大規模な衝突をしてきたわけじゃないですか。戦力を立て直すためには停戦が必要なわけですね。そういう思惑があります。」
Q.今回の国軍とRSFの内戦というのは相当長期化しそうなんでしょうか?
「それは長期化します。しない理由はないですね。この先はハルツームはもっと主戦場になっていく。身の安全をとれるのであれば、まずハルツームから出なさいと言ってます。」
▽“退避中の車列に攻撃”フランスは作戦中止
元陸上自衛隊「中央即応集団」の司令官で、南スーダンに派遣されたPKO部隊を指揮した、川又さんは―
(南スーダン派遣のPKO部隊を指揮 川又弘道元陸将)「日本政府は焦っているんじゃないですか。アメリカ単独で行っちゃったから。“陸路”を車両で移動するというのは、RSFが『うん』と言ったところで、政府(スーダン国軍)がどうかよく分からないから。だから(米軍が)ヘリを使ったというのは、ひとつの良い手段ですよね。日本からの飛行機が現地に着いたばかりで、最新の情報をそこで取って動こうとすると、着いてすぐに行くということはできないでしょう。」
日本政府の関係者によると、空港から“空路”でジブチに退避する案に加え、早ければ日本時間の23日にも国連が日本人らを“陸路”で、スーダン東部の港まで退避させ、自衛隊の船で、“海路”、ジブチに送る案が検討されています。
(南スーダン派遣のPKO部隊を指揮 川又弘道元陸将)「海上自衛隊の護衛艦をポートスーダンまで持って行って、ジブチまで連れてくるというのは出来ると思います。(首都から)ポートスーダンまで行くことが難しくて、一部で略奪が行われているというでしょ。国連だとか、そういう権威が効かないですからね。末端の兵士に行けば行くほど」
スーダン国軍の報道官は23日、フランス大使館の車列が、RSFの攻撃を受け、一人がけがをし、退避活動が中止されたと発表。これに対しRSFは、「攻撃はスーダン軍によるものだ」と主張しています。
4月23日『サンデーステーション』より (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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