緊迫スーダンから邦人退避へ 自衛隊機が日本出発 退避のカギ握る“あの国”(2023年4月21日)

緊迫スーダンから邦人退避へ 自衛隊機が日本出発 退避のカギ握る“あの国”(2023年4月21日)

緊迫スーダンから邦人退避へ 自衛隊機が日本出発 退避のカギ握る“あの国”(2023年4月21日)

 激しい戦闘が続いているスーダンから日本人らを退避させるため、21日午後、自衛隊の輸送機が日本を出発しました。現地では72時間の停戦に合意したとの発表があり、本当に停戦となるのか緊張が高まっています。

■緊迫スーダンから邦人退避へ 輸送機が出発

 スーダンの首都ハルツームのバスターミナルに人々が殺到していました。なかでは小競り合いも。一刻も早く「国を脱出したい」という人たちです。「国軍」と「民兵組織RSF(即応支援部隊)」による主導権争いに端を発した、アフリカ北東部スーダンの内戦。

 21日午後、自衛隊の輸送機が現地にいる日本人らの退避に向け、拠点のあるジブチに出発しました。ジブチで待機し、スーダンに入る“安全なタイミング”を伺うことになります。

■「ブッシュマスター」派遣も検討

 さらに今回、防衛省は「ブッシュマスター」と呼ばれる輸送防護車の派遣なども検討しているといいます。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「(ブッシュマスターは)輸送車で10人乗れるが、地面に置かれた仕掛け爆弾や地雷の爆風の力を斜め・横に逃がして被害を軽減する特徴がある」

 紛争が激化するなか、陸路での日本人退避は現実的なのでしょうか。

■地雷も平気?「ブッシュマスター」

 激化するスーダンの内戦。21日午後、自衛隊の輸送機がスーダンに近いジブチに向け出発しましたが、防衛省は「ブッシュマスター」などの派遣も検討しているといいます。

 「ブッシュマスター」は、地雷などが爆発しても走り続けられる輸送防護車。日本人保護の陸上輸送が実施されれば初めてのことになります。ただ、陸路で退避させるには、様々なハードルがあるとの指摘もあります。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「(ブッシュマスターが)敵として見られる可能性がある。だから、攻撃を受ける可能性がある。ブッシュマスターは基本的には銃弾が飛んでいない所で使うのが前提」

 スーダンには今も約60人の日本人が在留しています。連絡を取り合う団体の担当者に現地の状況を聞きました。

 国際NGO「難民を助ける会」・久保田和美さん:「(連絡を取っている人は)きのう午後から電気が復旧ということで、少し安心している。やはり食料が不足してきている。スーパーを襲撃したりとか、家に強盗に入ったりということがニュースで流れたりしているようなので(現地では)気を付けながら生活している」

 早期の退避が求められるなか、今回こそは実現するのでしょうか。

 民兵組織RSFの発表:「市民を避難させ、家族に会う機会を与えるため人道回廊を設ける」

 民兵組織RSFが敵対するスーダン国軍と「人道的停戦」に合意したと発表しました。期間は21日午前6時から72時間。現地では、この日から断食月「ラマダン」明けの祝日に入ります。

 日本時間では21日午後1時から24日の午後1時までの3日間。しかし、これまでにも18日と19日の2度、「24時間の停戦に合意した」との発表があったものの、いずれも守られず戦闘が続いています。実際、現地では…。

 国際NGO「難民を助ける会」・久保田和美さん:「(Q.停戦は始まっているが変化は?)(現地スタッフは)南に移動したので遠くはなっているが、まだ砲声の音が聞こえているそうです」

 本当に停戦は実現するのでしょうか。専門家は日本人退避の鍵を握るのは“あの国”だと指摘します。

■緊迫スーダンから邦人退避は米国がカギ握る?

 スーダンの内戦を巡り21日、民兵組織RSFは敵対するスーダン国軍と「人道的停戦」に合意したと発表しました。しかし、専門家は今回も「守られない」との見方を示しています。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「今までも一時的な停戦、そういった合意はあったんですけども、守られていないので今回も難しいかなと」

 では、現地にいる日本人は退避できないのでしょうか。黒井氏は、日本だけの力では限界があるとしたうえで…。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「自衛隊にできることはジブチまで行って、何かあった時に(スーダンに)行けるようなブッシュマスターを含めて色んな準備をしておく。アメリカが動く時に彼らがどう動くか、どう判断するかを見て、場合によっては自衛隊で足りない部分はアメリカにお願いすることも必要に」

 松野官房長官:「日本政府としては、スーダンに働き掛けるとともにG7(主要7カ国)をはじめとする関係国や国際機関と緊密に連携しながら対応しているところであり、今後もこうした対応を継続していく」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事