処理施設火災 「ごみ非常事態宣言」発令…“受け入れ停止”の可能性も 豊田市(2023年4月20日)

処理施設火災 「ごみ非常事態宣言」発令…“受け入れ停止”の可能性も 豊田市(2023年4月20日)

処理施設火災 「ごみ非常事態宣言」発令…“受け入れ停止”の可能性も 豊田市(2023年4月20日)

 愛知県豊田市のごみ処理施設で2月に火災が発生し、焼却炉の一つが使用できない状態となっている。このままでは、ごみの受け入れを停止する可能性もあるということだ。

■原因は? 「リチウムイオン電池」が発火か

 愛知県豊田市内で出る8割の可燃ごみを処理している施設。今年2月、火災が発生し、3つある焼却炉のうち一つが使用できなくなっている。

 火災発生時に撮影された写真では、ベルトコンベヤーから大きな炎が上がっている。火災の原因は、リチウムイオン電池とみられている。強い圧力や衝撃が加わると、発火する可能性があるのだ。

 施設の担当者に、火災の現場を案内してもらった。

 豊田市清掃施設課 浦野大一郎課長:「こちらが実際に火事が起こったごみ移送コンベヤーになります」「(Q.その中で、何かあったということですか?)リチウムイオン電池を含むモノが、ごみに含まれていまして。破砕した時に発火して、ベルトコンベヤーに火が燃え移ったと推測しています」

 豊田市では、可燃ごみを焼却する際、粉砕してからベルトコンベヤーで焼却炉に運んで焼却している。

 その際に「リチウムイオン電池」を含む小型家電が混入し、粉砕する過程で破損・変形したことにより、ベルトコンベヤーで発火したと推測している。

■「ごみ非常事態宣言」を発令…「削減」を呼び掛け

 現在、3つある焼却炉のうち一つが使用できず、ごみ処理能力は7割ほどに低下。ごみをためるピット内には、「焼却できていないごみ」がたまっていた。

 浦野課長:「去年と同じようなごみ量が入ってくると、9月にはもうあふれてしまう」

 豊田市は、ごみ処理が追いつかなくなる可能性があるとして「ごみ非常事態宣言」を発令し、「削減」などを呼び掛けている。特に、分別について徹底してほしいという。

 浦野課長:「リチウムイオン電池を含むものは、絶対に燃やすごみとして出さないで下さい。場合によっては、職員の命にかかわることもあります。ごみの分別をして、出していただきたいと思います」

 豊田市民は、次のように話す。

 豊田市民60代:「(ごみを)少なくしなきゃいけないなとは思うんですけど、出さないわけにはいかない」
 豊田市民30代:「やっぱり食品ロスは減らさないといけないなと」「(Q.リチウムイオン電池の捨て方は分かりますか?)いや、分からないです」

■“ごみ収集車”での火災も続出…滋賀や埼玉でも

 リチウムイオン電池が原因となった、ごみ処理施設での火災が全国で多発している。

 環境省によると、2020年度にリチウムイオン電池などが原因とみられる全国のごみ処理施設で起きた火災は、1万2765件に上るという。

 さらに、ごみ収集車で発生する火災も続出しているそうだ。

 滋賀県大津市のごみ処理施設では今年2月、不燃ごみをためておく場所で火災が発生した。その後、黒焦げのスマートフォンや、スプレー缶が見つかっている。

 また、さいたま市のごみ処理施設では今月10日、不燃ごみを細かく砕く作業中に火災が発生。市の担当者によると、焼け跡から複数のリチウムイオン電池が見つかったという。

 さいたまのごみ処理施設では、2022度リチウムイオン電池が原因で火災報知器が作動した回数が579回。単純計算で、一日平均およそ1.5回作動していることになる。

■環境省「作業中に起こる火災最も多い」

 リチウムイオン電池をごみ処理施設で見つけるのは、簡単なことではないようだ。

 取材した豊田市のごみ処理施設では、収集された可燃ごみの分別はせず焼却されるため、リチウムイオン電池を見つけることは困難だという。

 また、先ほどのさいたま市のごみ処理施設では、不燃ごみは鉄やアルミの分別作業を行っているが、火災が起こったのはこの分別前の細かく砕く作業中だった。

 環境省によると、こうした作業中に起こる火災発生件数が、最も多いということだ。

■使用済みのリチウムイオン電池の処分は? 「回収ボックス」に

 充電ができない電池は、不燃ごみとして回収している自治体が多く、マンションなどによっては「電池回収箱」などで回収しているが、充電可能なリチウムイオン電池やバッテリーなどは、ごみ収集所や電池回収箱に捨ててはいけないといいます。

 では、使用済みのリチウムイオン電池は、どのように処分すればいいのか。

 環境省によると、家電量販店などにリチウムイオン電池の回収ボックスが設置されており、そこに持ち込むよう呼び掛けている。

 また、一部の自治体では、独自の回収ボックスを設置や、収集を行ったりしている。自治体ごとで異なるため、ホームページなどで確認が必要だ。

 また、電池が取り外し式でない場合は、無理に外さないよう注意を呼び掛けている。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年4月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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