【北京の病院で“火災”】29人が死亡 時間かかった情報発信…SNS上では不満が噴出
中国・北京の病院で18日、火災が発生し、患者など29人が死亡しました。中国メディアが伝えた避難者の証言によると、出火後に警報や消火装置が作動しなかったということで、病院側の問題を指摘する声が出ています。さらに、火災についての発表や情報発信に時間がかかったことに対し、中国のSNS上では投稿が相次ぎました。
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中国のSNSに投稿された動画には、建物から黒煙が噴き上がる様子が映っていました。窓からは、白い布を使い、外へ脱出する人の姿も確認できます。隣の建物の屋上へと逃げていきました。ほかにも、外壁に設置された室外機の上に乗るなど、“決死の避難”を試みる人々が映っています。
18日、中国・北京の病院で大規模な火災が発生しました。別の角度からの映像には、噴き出す黒煙の中から助けを求める人の様子も映っていました。窓に向けてはしごをかけ、救助活動も行われています。
この火災で、入院していた患者26人のほか、スタッフや患者の家族など3人が死亡しました。
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19日、現場に向かうと、煙が噴き出していた場所はすすで真っ黒になり、窓ガラスも抜けていました。
森本隼裕記者(NNN北京)
「火災があった病院の周りは警察車両、警察官の姿がたくさんあります。外壁には焼け焦げたような跡がはっきり残っています」
火災が起きたのは、入院患者などがいた病棟です。中国メディアは「多くの高齢患者が入院していたため、救出活動が難航した」と伝えていて、実際、亡くなった患者の大半が高齢者でした。
火災はなぜ起きたのでしょうか。19日午後に会見した地元当局は「病棟内の改装工事を行っていた際に火花が発生し、可燃性塗料の揮発性物質に引火したとみられます」と説明。病院の院長や工事業者など12人を拘束し、取り調べをしているということです。
ただ、火災の現場にいた人などからは、病院側の問題を指摘する声が出ています。中国メディア「財新」が伝えた避難した患者の証言によると、出火後も警報が鳴らなかった上、消火装置も作動していなかったといいます。また、入院患者の家族からは「火災について病院から一切連絡がなかったとの証言」もあり、当局が調査を進めています。
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首都にある総合病院で起きた惨事に、中国のSNS上では不満が噴出していました。中には「北京でこんなことが起きるなんて。政府機関もたくさんあるのに、管理はどうなっているの?」といった書き込みもみられました。
一方で19日、北京市民に火災について聞くと、状況についてほとんど知らない様子でした。
北京市民
「『30分で鎮火した』といっていましたが、具体的な発表はまだありません。死傷者がいると聞きましたが、正式な報告はないです」
実は、火災が起きたのは18日午後1時ごろにもかかわらず、当局が発表したのはその日の夜になってからでした。会見を行ったのも19日午後と、情報発信に時間がかかっていたのです。
これにも、SNS上では「こんな大事なのに何時間も情報を出さないなんて、民衆の知る権利はどうしたんだ!」と批判する投稿が相次ぎましたが、現在はその多くが削除されています。火災への対応をめぐり、中国国内で不満が高まる中、当局の情報統制も強まっています。
(2023年4月19日放送「news zero」より)
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