【首相演説に爆発物】容疑者は“選挙制度に不満”か 参院選に立候補できず裁判

【首相演説に爆発物】容疑者は“選挙制度に不満”か 参院選に立候補できず裁判

【首相演説に爆発物】容疑者は“選挙制度に不満”か 参院選に立候補できず裁判

和歌山市の漁港で岸田首相の演説直前に爆発物が投げ込まれた事件で、18日はダイバーが海に入り、破片の捜索を行いました。逮捕された男は黙秘を続けていますが、去年、国会議員の選挙制度に不満を持ち、国を相手に裁判を起こしていたことがわかりました。

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記者(和歌山市・雑賀崎漁港、18日午後)

「爆発した金属製の筒の一部が引っかかっていた網の先、10メートルほど先を警察が捜索しています」

爆発があった和歌山市の雑賀崎漁港では、18日も爆発物の破片などの捜索が続いていました。朝、演説会場のすぐ横の海には警察のダイバーの姿もありました。

爆発があった和歌山市の雑賀崎漁港では、18日も爆発物の破片などの捜索が続いています。爆発した金属製の筒の一部が引っかかっていた網よりさらに10メートル先の建物周辺を警察が捜索していました。朝、演説会場のすぐ横の海には警察のダイバーの姿もありました。

15日の爆発では、白煙とともに多くの破片などが飛散しました。現場ではこれまでに、爆発物の本体の一部とみられる筒状のものなどが40メートルほど離れた場所でも見つかっていることから、陸上にとどまらず、海の中まで手がかりを追っています。

その爆発物を投げ込んだとして逮捕・送検されたのが木村隆二容疑者(24)です。現場から約100キロ離れた兵庫県川西市にある自宅の捜索では、火薬のような粉末や工具類、パソコンなどが押収されました。警察は、木村容疑者が爆発物を自作したとみていて、殺傷能力があったのかどうかを慎重に調べる方針です。

一方、木村容疑者は調べに対し黙秘を続けていて、いまだに動機はわかっていません。ただ、選挙制度に不満を持っていたことがうかがえる事実が明らかになりました。去年、木村容疑者が国会議員の選挙制度に不満を持ち、神戸地裁に裁判を起こしていたことがわかったのです。

裁判資料によると木村容疑者は、去年7月に行われた参議院選挙に立候補しようとしたものの、「満30歳以上」という被選挙権を満たさず、300万円の供託金も用意できなかったため、選挙に立候補できなかったことで精神的な苦痛を受けたとして、国に対し10万円の損害賠償を求めていました。

木村容疑者は当時、「被選挙権などの制限がある選挙が、議会制民主主義を破壊する」と主張していました。裁判の準備書面では、「岸田内閣は、安倍元首相の国葬を議会の審理を経ずに閣議決定のみで強行した。このような民主主義への挑戦は許されるべきものではない」と岸田内閣を批判していました。

去年11月にこの訴えは退けられ、木村容疑者は大阪高裁に控訴しています。選挙制度への不満が事件につながったのでしょうか。動機の解明が急がれます。
(2023年4月18日放送「news every.」より)

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