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イギリス情報機関 ロシアの動向“積極開示”…狙いは「ロシア政府の足並み乱すこと」(2023年4月18日)
ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、ロシア側の動きを積極的に開示しているのが、イギリスの情報機関だ。“情報戦”の実態、そしてイギリス側の狙いとは?
■英によるウクライナ戦況公開 狙いは?
破壊された建物。その奥で火の手が上がる。ウクライナ側で戦闘に参加している兵士が撮影したという、東部・バフムト市内の映像だ。
ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始して1年以上、その戦況について、連日のように情報を発信しているのがイギリスだ。
英国防省のツイッター(今月1日):「ロシア軍の目標であるドンバス地方全体の制圧は、失敗したことが明らかになりつつある」
英国防省のツイッター(今月14日):「ウクライナ軍は、依然としてバフムトの西側を確保しているが、過去48時間にわたってロシアの激しい砲撃にさらされている」
なぜ、イギリスは、こうしたウクライナの戦況を詳しく公開し続けるのか。イギリス国防省の国防情報部で副長官を務めたポール・リマー氏に話を聞いた。
リマー氏:「ウクライナの戦いは、武力による戦闘だけではなく、情報戦争でもあるのです」
ウクライナ侵攻で繰り広げられている、イギリスの情報戦の実態とは?
■情報戦で英が果たす役割「誇りに思う」
英政府公式サイトから(去年1月22日):「ロシアがウクライナ侵攻を検討する中で、キーウに親ロシア派の政権を樹立しようとする情報がある」
去年、ロシアがウクライナに侵攻する以前から、アメリカと共に、その危険性を警告してきたイギリス。
イギリス ジョンソン首相(当時):「我々は、ロシア人のつま先が一歩でもウクライナ領内に侵入したその瞬間に、制裁を発動する準備ができている」
去年7月には、MI6(英情報局秘密情報部)のムーア長官自ら、ロシア軍の戦力分析を発表する、異例の対応を見せた。
ムーア長官:「ロシアは今後数週間、人員や物資の供給がますます困難になり、一時的に戦闘を停止しなければならず、ウクライナ側に反撃の機会を与えるでしょう」
さらに10月には、情報戦でイギリスの果たしている役割について、GCHQ(英政府通信本部)のフレミング長官が、こう強調した。
フレミング長官:「ウクライナの防衛において、イギリスが果たしている役割を誇りに思います。これは我が国と同盟国がサイバー技術や最新の機器に長年投資を続け、積極的に情報共有を進めてきた結果です」
■情報公開で“同盟国団結”も「制裁科す力に」
なぜ、イギリスはロシアのウクライナ侵攻に関して、情報を発信し続けるのか。かつて政府の情報機関に在籍していた専門家は、次のように話します。
リマー氏:「ウクライナの戦いは、武力による戦闘だけではなく、情報戦争でもあるのです。特にイギリスとアメリカの情報機関が『ロシアはウクライナに侵攻するつもりだ』『これは脅しではない』と警告していました。情報を公開する目的の一つは、ロシア政府の足並みを乱すことなのです」
リマー氏によると、ロシアがこれまで嘘の情報を流して、有利な状況を作り出していたことから、それに対抗する形で、イギリス側も積極的に情報を公開しているのだという。
リマー氏:「今回、イギリスはとても効果的にウクライナの状況や、ロシア軍の作戦を伝えていると思います。ロシアが実際に行動する前に、『ロシアがこれをやる』と明かすことで、プーチン政権に恐れや不安感を与えることができ、周りにスパイがいるのかもしれないと、疑いを持たせることができます」
こうした情報の公開は、西側の同盟国間の団結した行動にもつながっているという。
リマー氏:「戦況やロシア側の意図について、とても質の高い情報が得られています。こうした情報を同盟国が共有することで、団結してロシアに制裁を科す力にもなっているのです。実際に何が起きているのか、正しい情報が得られないままだったとしたら、団結するのは難しかったでしょう」
ロシアに対するイギリスの情報戦。その背景には、過去のある教訓があった。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年4月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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