【部員に“体罰”か】神奈川の県立高校女子バレー部 至近距離からボールを…

【部員に“体罰”か】神奈川の県立高校女子バレー部 至近距離からボールを…

【部員に“体罰”か】神奈川の県立高校女子バレー部 至近距離からボールを…

強豪校として知られる神奈川県の県立高校の女子バレーボール部で当時、顧問だった男性による体罰の情報があり、県の教育委員会が調査を始めたことが分かりました。高校生の娘が体罰を受けたという保護者が私たちの取材に応じ、体罰は日常的に行われていたと証言しました。

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全国大会に何度も出場している女子バレーボールの強豪校で今、体罰の訴えが浮上しています。高校生の娘が部活の顧問から体罰を受けたという保護者が、証言しました。

娘が体罰を受けたという保護者
「蹴られたりとか、ボールを当てられるのは当たり前のことだったんで。心が挫折しちゃうくらい蹴られたところが痛かったとかで、どんどんそこから心が折れていきましたね」

当時、女子バレー部で顧問だった60代の男性が、部員に暴言や体罰を行っているという情報が今年2月に寄せられ、県の教育委員会が調査を始めたことが分かりました。

娘が体罰を受けたという保護者
「『“春高(バレー)”に行きたい』って娘が言ってましたし、やっぱり強いところでやりたいっていうところで、(この高校を)選びました。『この先生なら大丈夫だね』って」

元顧問は保護者からも信頼されていたといいますが、体罰は日常的に行われていたということです。

娘が体罰を受けたという保護者
「やられる子は毎日やられていましたし。(娘は)『体をたたかれるのは、いつものことだ』って言ってました。『今日もボール当てられたよ』『ブスって言われた』とかって」

保護者の話では、娘は元顧問から「至近距離でボールを投げられる」「体をたたかれる」「膝を蹴られる」などの体罰を受けたといいます。「平手打ちをされた」という別の部員もいたということです。

娘が体罰を受けたという保護者
「(体罰は)先生の機嫌次第。『先生、今日、機嫌悪いね』って言った時、ボールが至近距離で飛んできたり、『ブス』だのなんだのすごい言われて」

顔を傷つけられたこともあったといいます。

娘が体罰を受けたという保護者
「『とうとうやられた』みたいな感じで、娘が(動画を)送ってきた」

動画には、皮がはがれ、血が出て赤くなった唇が映っていました。

――どうやってケガをした?

娘が体罰を受けたという保護者
「至近距離でボールをぶつけられた時に(顔に)ぶつかった」

この時、元顧問は「ブスな顔を守るんじゃなくてコートを守れ」と暴言を放って、ボールをぶつけてきたということです。蹴られた膝は、時間がたっても痛みが残っているといいます。

娘が体罰を受けたという保護者
「普段、歩いている時とか靴をはく時も、『お母さん、痛いんだよ、膝つくのも痛いんだよ』って」

さらに、元顧問の暴言は部員だけでなく、保護者にも向けられたということです。

娘が体罰を受けたという保護者
「保護者も『バカ』呼ばわりされますし、ちょっと体育館に入るタイミングを間違えると、『あのバカ親が』とか『だからお前たちもバカなんだよ』って。『親も親なら子も子だよ』とか」

実はこの元顧問をめぐっては、これまでにも暴力や暴言などの行為について情報提供があり、去年6月、学校側が保護者らに「行き過ぎた指導」と謝罪していました。ただ、保護者の話では、その後も体罰は続いていたとみられ、今年2月、県の教育委員会に情報が寄せられ、調査が始まったということです。

元顧問は現在、療養休暇をとっているといいます。

娘が体罰を受けたという保護者
「娘が大好きだったバレーボールが一気に嫌いになっちゃった。『バレー人生めちゃくちゃにして、ごめんね』という謝罪がほしいですし、心の傷が一番大きいのかなとは思いますね。もう一切、指導はしてほしくないですよね。教育現場にいちゃいけない人なのかなと思いますね」

私たちは複数の保護者から証言を得て学校側に取材を申し込むと、県の教育委員会は「事実を調査した上で体罰などが確認できた場合は、厳正に対処する」とコメントしました。

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今年に入ってから、高校・強豪バレー部での体罰問題が相次いで発覚しています。2月には、千葉県の市立船橋高校で、男子バレー部の監督が部員に対し、髪の毛を引っ張るなど暴行を加えたとして逮捕されました。後に釈放され、在宅のまま捜査が続いています。

山梨県の日本航空高校でも、男子バレー部の監督が部員に平手打ちの暴行を加え、その後、解任されています。

スポーツ指導のあり方に詳しい専門家は、“部活動が密室のような閉鎖空間なため、体罰が常態化している”と指摘します。

兵庫教育大学 森田啓之教授
「顧問が一人の絶対者として存在して、周りの人たちが思ってても言えなくなるみたいな空間ではなくて、いろんな意見のやりとりがあって、子どもたちも指導者・教員とやりとりできるような、そんな時間・空間にしていく。そういうふうな中でコミュニケーションが、あるいは情報共有がされる中で、固定化された指導が振り返るきっかけにもなる」
(2023年4月4日放送「news zero」より)

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