【兵力損失でロシア減速】東部バフムト“危機回避か”反転攻勢の予兆◆日曜スクープ◆(2023年4月2日)

【兵力損失でロシア減速】東部バフムト“危機回避か”反転攻勢の予兆◆日曜スクープ◆(2023年4月2日)

【兵力損失でロシア減速】東部バフムト“危機回避か”反転攻勢の予兆◆日曜スクープ◆(2023年4月2日)

 ウクライナ侵攻で鋭く対立する米ロ間の緊張が一層高まる。ロシアは米国人記者をスパイ容疑で拘束した。ロシアの治安当局は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の記者を、機密情報を入手したとされるスパイ容疑で拘束したと発表した。WSJ記者は、最高で20年の懲役刑に処される可能性がある。バイデン米大統領は3月31日、ロシアがスパイ容疑で拘束した米記者を「解放すべきだ」と述べた。米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「ロシア政府が米国民を標的にするやり方は容認できない」と厳しく非難した。一方、ロシア外務省のザハロワ情報局長は「外国人特派員の地位、報道ビザの認定が、ジャーナリズムとは関係ない活動を隠蔽するために、我が国に駐在する外国人によって利用されるのは今回が初めてではない」と反論した。ロシア連邦保安庁(FSB)は「WSJ記者はロシアの軍産複合体企業の特定企業の活動に関連する国家秘密情報を収集した疑いがある」と拘束理由を明らかにしている。

 ウクライナ侵攻を巡り米ロ間が緊張関係にある中、WSJ記者の拘束により両国の関係悪化が懸念される。米国で逮捕され、拘束中のロシア人も存在する。米司法省は、ロシア人のセルゲイ・チェルカソフ容疑者について、外国人の代理人になりすまし、米国内で違法なスパイ活動をしたとして訴追したことを明らかにした。同省によると、チェルカソフ容疑者は現在、ブラジルで拘束されている。チェルカソフ容疑者はブラジル人であることを名乗って、米ジョンズ・ホポキンス大学院で学び、修了後も在学中の人脈を駆使して得た米外交政策に関する情報をロシア情報機関に流していたとされている。一方で、ロシアで収監されている米国人の扱いに注目が集まる。昨年4月には、元米海兵隊員のトレバー・リード氏と米国へのコカイン密輸を画策したロシア人・ヤロシェンコ氏が囚人交換により釈放された。昨年12月には、ロシアで拘束されていた米女子プロバスケットボールのスター選手、ブリトニー・グライナー氏が釈放されていた。

 米シンクタンク・戦争研究所は3月28日、ロシア軍がドネツク州のバフムト市庁舎を占領したと主張していることを明らかにした。同研究所によると、ロシア軍は市内中心部に前進し、ウクライナ軍の防御を破壊することに注力するが、依然として、膠着した戦況にあることを指摘した。ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者プリゴジン氏は3月29日、激戦地バフムトを巡る戦闘で、派遣した部隊にも深刻な被害が出たことを明らかにした。ウクライナ軍のメジェビキン大佐は、激戦地バフムトの戦況に言及し、「ロシア軍の進軍ペースが減速し、差し迫った包囲の危機が回避された」との認識を示した。英国防省は3月29日、ウクライナ軍の重要な成果として、重要な西側の補給路である「0506道路」からワグネル戦闘員を押し戻したことを明らかにし、戦況の変化が生じたと分析する。また、ウクライナ軍のメジェビキン大佐は、「ロシア軍には重要拠点を防衛する強力な師団が残るが、ロシア軍の部隊は士気を欠いて破壊しやすい」と述べ、ロシア軍の脆弱な状況を指摘した。さらに、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は「ロシア軍にはウクライナ陣地を攻撃する人的資源が不足している」と述べ、兵力損失に苦しむロシア軍が窮状にあることを明らかにした。米戦争研究所の最新情報を基礎に戦況を詳報・解説する。

★ゲスト:駒木明義(朝日新聞論説委員)、高橋杉雄(防衛省防衛研究所)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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