AIで虐待死をゼロに… 虐待対応「AI」とは 「こども家庭庁」も全国導入を目指す【news23】

AIで虐待死をゼロに… 虐待対応「AI」とは 「こども家庭庁」も全国導入を目指す【news23】

AIで虐待死をゼロに… 虐待対応「AI」とは 「こども家庭庁」も全国導入を目指す【news23】

子どもを守る切り札として、「AI=人工知能」を使った取り組みが注目されています。「こども家庭庁」も全国での導入を目指す虐待対応の「AI」とは。

AIで虐待死をゼロに 過去のケースを「見える化」

「もうおねがいゆるして」
「助けて、ママ。お願い」

これらは、虐待を受けて死亡した子どもたちが遺した言葉です。いずれも児童相談所が関わりながら、悲劇を防ぐことはできませんでした。

「子どもの虐待死をゼロに」。そう掲げるAI関連のベンチャー企業があります。

「一つ一つの子ども虐待の事例に向き合う時間をいかに確保するか」
「判断の質が維持・向上できるように『AI』を手段として使う」

AIを活用して子どもの命を守る「AiCAN」と呼ばれるシステムを開発しています。このシステムは、AIがこれまでに児童相談所が対応した虐待事例のデータを学習。子どもの傷や家庭の状態などを入力すると…

株式会社AiCAN 高岡昂太CEO
「AIが計算してくれて、『93%』という形で過去の保護率が高くなった」

過去のケースから見て、子どもを家庭から引き離す「一時保護」すべき度合いが瞬時に表示されました。

高岡代表は、AIを通じて過去の蓄積を「見える化する」といいます。

株式会社AiCAN 高岡昂太CEO
「(児童相談所で働く)皆さん本当にご苦労されてますけど、それを少しでも次の世代に繋げられるような仕組みがない。人が変わっても仕組みができて、専門性を底上げできる」

虐待の相談件数は年々増加していて、昨年度は20万件あまりと過去最多に。一方、児童相談所は団塊世代などベテラン職員の退職が相次ぎ、勤続年数が3年に満たない若手が半数を占めている状態です。

職員の経験不足に1万超の虐待記録

職員の経験不足が課題となる中、全国に先駆けて、虐待の対応にAIを活用しているのが三重県です。

三重県児童相談センター 中澤和哉所長
「新規採用の職員にとっては非常に心強いツール。経験不足のところのフォローをしてもらえる」

三重県では3年前からすべての児童相談所に「AiCAN」を導入。一つの虐待事案への対応日数が半分の100日程度になるケースも報告されるなど、一定の成果を上げています。

ただ、ここまでに至る道のりは決して平坦なものではありませんでした。三重県では2012年、虐待によって幼い命が失われる事件が相次いで発生。行政が虐待の兆候を掴んでいたにもかかわらず、適切な対応をとれませんでした。

三重県児童相談センター 中澤和哉所長
「『危険度をきちんと査定できる仕組みがない』という指摘をいただいた。『やれることは全部やらなければいけない』という考え方で、業務の全部を見直しした」

そこで、2014年から「リスクアセスメントシート」と呼ばれるチェックシートを導入。項目に一つでもチェックがつけば、職員が緊急に対応する仕組み作りを始めました。

こうして集め始めた虐待に関する記録は、今ではおよそ1万3000件に。そのすべてをAIが学習し、膨大な記録に精通した“ベテラン”として職員を支えています。

三重県児童相談センター 中澤和哉所長
「AIはあくまで仕組み・手段・ツールなので、データがないとAIは動かない。業務負担が発生するけど『やっぱりやる意義あるよね』という理解が自治体とか児童相談所の中で進んでいくことが大事」

4月1日に発足する「こども家庭庁」でも虐待防止にAIを活用する方針で、2024年度にも全国共通のシステムの運用を始められるよう準備を進めています。

株式会社AiCAN 高岡昂太CEO
「AIはあくまで手段というところで『魔法の杖』ではないので、何かAIにかければ全て解決というわけではない。地域ごとの特性や地域における社会資源を生かしていくことが重要」

虐待死をゼロに「AIは100%ではなく」

山本恵里伽キャスター:
VTRでご紹介したシステムは、虐待から子供たちを守るために作られたものではありますが、一方で開発者の高岡さんはリスクも指摘しています。「AIが100%正しいというわけではなく、間違った答えが返ってくることもある。AIの結果が逆に子供を危険にさらす可能性もある」ということで、あくまで一つの手段だということを強調しています。

小川彩佳キャスター:
これは現場の方が一番よく理解してらっしゃることだと思うんですけれども、宮田さんはこの取り組みどうご覧になりますか?

慶応大学医学部教授 宮田裕章さん:
素晴らしいと思います。AIの限界を踏まえた上で、現場の判断を支える仕組みに使えるんですよね。今まではそれぞれが判断して、特に若手っていうのはまだよくわからない部分があるんですが、過去の蓄積を経験した上で、このケースのリスクはどれぐらいなのか、こういったことを支えてくれるということです。

今後こういったデータを蓄積して、全国に展開することで、例えばもっと早い段階で、事が大きくなる前に、その子供たちの人生を変えることができるかもしれない、こういった所に踏み込んでいけるといいのかなと思います。

小川キャスター:
伝え手としても虐待でお子さんが亡くなるというニュースは最もお伝えしたくないニュースです。人手不足の中にあっても、子供の虐待を1人でも少なくではなく、1人残らずなくしていかなければならないという中で、あらゆるツールを駆使して向き合っていただきたいです。

#AI #虐待 #児童相談センター

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