事故「過失割合」に影響も? 4月からヘルメット着用の“努力義務化”(2023年3月30日)

事故「過失割合」に影響も? 4月からヘルメット着用の“努力義務化”(2023年3月30日)

事故「過失割合」に影響も? 4月からヘルメット着用の“努力義務化”(2023年3月30日)

 4月1日から始まるすべての自転車利用者の“ヘルメット着用”努力義務化。私たちの生活にどのような影響が出てくるのでしょうか。

■自転車利用時に大人も「着用義務」

 通勤通学など生活に欠かせない自転車。しかし、ヘルメットをしている人の姿はありません。

 自転車のヘルメットの着用について、これまで法律で決められていること。それは2008年、13歳未満の幼児・児童が自転車に乗る時は“ヘルメット”を着用することが規定されましたが、これは保護者に対する努力義務でした。

 4月1日からの改正道路交通法では年齢にかかわらず、自転車を運転する人全員がヘルメットを着用する努力義務が課されます。

■シェアサイクルの運営事業者は

 もしも起きたら一大事となる自転車の事故。全国で去年、自転車関連の事故がおよそ7万件発生。全国に先駆けて去年10月から条例で“ヘルメット着用が努力義務化”されている熊本市。

 シェアサイクルを運営する業者は。

 シェアサイクル業者「チャリチャリ」・家本賢太郎社長:「ヘルメットが大事ということ自体は知っていただけるのではと前向きに。ヘルメットは頭部を守ること自体は明らか」

 警察によると、2018年から2022年の5年間で自転車乗車中に亡くなった人のうち、およそ6割が頭部に致命傷を負っています。

 関東のシェアサイクル事業者は、4月1日からの対策を。

 OpenStreet広報・尾崎梢さん:「感染症が再び流行した時に、使い回し肌に触れるものは、衛生面でも厳しい。ご自身に合ったサイズのヘルメットをお持ちいただいて着用が現時点では望ましい」

 コロナ対策とヘルメットサイズの2点からヘルメット貸し出しは以前から検討しているものの、現段階では持参してもらうことになるそう。

■自転車配達員「これからは着用」

 街中で見掛ける料理宅配サービス業者「ウーバーイーツ」では、去年10月からヘルメット着用専門の画像認識サービスを開始。4月1日に向けて配達員にさらなるヘルメット着用を推奨しているといいます。

 ウーバーイーツジャパン・中川晋太郎代表:「配達パートナーの人の安全が最優先だと考えている。着用いただくのが安全への早道だと思っているので、それを促進したくてヘルメットクラブ始めた」

 ヘルメットを被ろうと決めた配達パートナーにまず1000円のクーポン。さらに週に1回、ヘルメットを被った自分の画像が認識されるチェックを合計5回クリアすれば、現金3500円が振り込まれる仕組みです。

 配達パートナー:「今までは付けようという意識はなく、これまでの配達もまだ着用してなかった。これからは着用しようと思った」

 4月1日から始まる“努力義務”でのヘルメット着用。“努力義務”とは「罰則のない決まり」という形。

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 しかし、法律の専門家は…。もしもの事故での過失割合に変化が起きる可能性を指摘。

 交通に詳しい櫻井正弘弁護士:「裁判で今後『ヘルメットをつけていない』過失が争われることは、十分多くなると思います。(改正)道路交通法上で努力義務になったにもかかわらずつけていない。これは被害者の落ち度である。こういった主張がおそらく出てきますので、皆さんにはぜひつけていただきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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