妊婦の感染“自宅療養”急増・・・注意すべき症状は?専門家が解説(2022年2月7日)

妊婦の感染“自宅療養”急増・・・注意すべき症状は?専門家が解説(2022年2月7日)

妊婦の感染“自宅療養”急増・・・注意すべき症状は?専門家が解説(2022年2月7日)

新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種率は5.9%にとどまっています。

こうしたなか、国会で、岸田総理は今月中にも1日100万回の接種を目指すと表明しました。岸田総理が接種回数の目標を示したのは、これが初めてです。接種の遅れが指摘されるなか、「わかりやすい目標を掲げて発信した方がいい」と判断したそうです。

もっとも、現在の接種回数は1日50万回程度、倍増が必要です。予算委員会に先立ち、岸田総理は関係する閣僚を集め、全力で取り組むよう指示しました。

野党からは、対応の遅さに指摘の声が上がりました。
立憲民主党・小川政調会長:「1日100万回の接種を表明された。ワンテンポ、ツーテンポ遅かったじゃないか」
岸田総理:「まさに今からが3回目の接種、本格化するタイミングである。そのために1日も早く、1日100万回の接種を実現していきたい」

立憲民主党・大串議員:「できるだけ早い時期にというのはいつか。今週か、来週か」
岸田総理:「2月、できるだけ早い時期に100万を達成するものであり、この目標は達成できるものであると確信している」
立憲民主党・大串議員:「総理は自信を持って答えられる時期はないということか」
岸田総理:「2月後半、職域接種等も始まる。そのなかで達成できる数字である」

感染拡大とともに自宅療養者が増えるなか、緊迫の度合いを増している現場があります。

千葉大学病院に7日昼ごろ、先週、陽性と判明した20代の妊婦が運ばれてきました。自然分娩では吸が荒くなり、医療スタッフに感染の恐れがあるため、通常は帝王切開となります。しかし、女性は、すでに子宮口が開き、帝王切開ができない状態で、救命救急センターの手術室で産むことになりました。病院到着約10分後、赤ちゃんの泣き声が響き渡りました。母親は無症状で、赤ちゃんにも異常はありませんが、母親からの感染を防ぐため、しばらくの間、離れて過ごすことになります。
千葉大学病院周産期母性科・生水真紀夫科長:「問い合わせの数は(第5波と比べて)明らかに多くなっている。受け入れの数よりも、問い合わせの数が10倍ぐらいはいる」

感染すると、症状が重くなりやすいとされる妊婦。以前、行われた調査では、中等症以上になる人の割合が、妊娠していない女性の倍近くとなりました。コロナ陽性の妊婦をめぐっては、去年夏、受け入れ先の病院が見つからず、自宅で早産した赤ちゃんが亡くなるということが起きました。

病床に限りがあることは、いまも変わりません。多くの妊婦が自宅での療養を余儀なくされています。自宅で療養する妊婦の健康観察にあたっているのが助産師です。助産師や医師らは、感染する妊婦の増加に危機感を募らせています。
日本産婦人科医会・中井章人常務理事:「1月20日時点で、東京の陽性者数(妊婦)が261名で、そのうち66名、4分の1しか入院管理されていない」
聖母病院・山本智美看護部長:「第6波では、子ども感染増加が伴って両親の感染、特に出産前の母親の感染例が増加。満期(37週)以降、無症状例が原則、自宅療養。予測困難な陣痛発来に対して、妊婦のみならず、コロナ対応困難な分娩施設の双方に、すごく不安定な状態が生じている」

先月、妊娠4カ月のときに陽性と判明した女性。もうすぐ2歳になる子もいるなか、自宅療養となりました。自分は別の部屋に隔離して過ごしていましたが、結局、その後、子どもの陽性も確認されたそうです。
妊娠4カ月で陽性判明・澤本志帆さん:「千葉で(赤ちゃんが)亡くなられたのがあったので不安だった。ハイリスク妊婦だけど、一般的な産科では、妊娠の継続・出産の管理ができなくて、何かあったときに診てもらえる病院が少ない」

ただでさえ不安を抱える妊娠中。精神的なケアも欠かせません。
東京都助産師会・伊藤仁子理事:「『自分もつらいのに、別室で寝ている子どもが熱が出て夫がみているけど、泣き声は別室でも聞こえて、それで眠れなかった』と。胎動がわかればまだいいけれども、初期で胎動わからないうちにコロナが赤ちゃんにどう影響しているかという不安を持っている人はいる」

自宅療養中、妊婦は、どのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。

日本産婦人科学会などによりますと、1時間に2回以上の息苦しさを感じるとき、トイレに行くときなどに息苦しさを感じるとき、心拍数が1分間に110回以上、もしくは 呼吸数が1分間に20回以上のとき、安静時、酸素飽和度が93~94%の数値から1時間以内に回復しない場合は、かかりつけの産婦人科医や保健所などに連絡する必要があるとしています。
           
日本産婦人科医会の中井章人常務理事によりますと、「妊娠中の場合、酸素飽和度が少しでも下がると、赤ちゃんに発育不全など何らかの影響が出る可能性がある。そのため、妊婦さんは少しの息切れなど呼吸数・心拍数の変化に気を付けた方が良い」と話します。

さらに、息苦しさで短い言葉も話せないときや、酸素飽和度が92%以下になった場合は、「すぐに救急車を要請してください」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事