巌さんの姉「これからが正念場」再審確定“袴田事件”検察が特別抗告を断念(2023年3月20日)

巌さんの姉「これからが正念場」再審確定“袴田事件”検察が特別抗告を断念(2023年3月20日)

巌さんの姉「これからが正念場」再審確定“袴田事件”検察が特別抗告を断念(2023年3月20日)

静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる“袴田事件”で死刑判決が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁の決定について、検察側は20日、特別抗告を断念しました。

袴田巌さんの姉・ひで子さん(90):「検察が“特別抗告”を断念したって。完全に無罪。完全に勝った。よかったね。あんたの言う通りになった。もう安心。何も心配いらなくなった」

長年、共に戦ってきた弁護団も…。

西嶋勝彦弁護士:「これは袴田さんの50年にわたる願いがやっと」

小川秀世弁護士:「午後4時29分、担当の検事から電話をいただきまして『特別抗告はしない』というお話をいただきました。私はなんて答えたかというと『ありがとうございました』と。本当にうれしかったものですから」

逮捕から57年。袴田さんの無罪への道が見えてきました。

ひで子さん:「うれしいですよ。3月13日の再審開始に続いて、きょうもまたうれしい。本当にうれしくて、どうしようもない。もう何が何だか分からないぐらい大騒ぎして、走り回って。きのうまでの疲れは吹っ飛んじゃった。多少ね、いくら元気でもね、何となく疲れは残っていた。それも吹っ飛びました。巌に話す時に、ちょっと涙が出たのかなと。なんとなく、ホロッとしたというか」

今月13日、東京高裁は、争点となった5点の衣類について「袴田さん以外の第三者が、タンク内に隠ぺいした可能性が否定できない。第三者は事実上、捜査機関の者による可能性が極めて高い」と指摘し、再審開始を認める決定をしました。今後、最初に死刑判決を言い渡した静岡地裁で、やり直しの裁判が行われる見通しです。

ひで子さん:「再審開始になったからって、まだ裁判が終わったわけではないから。これからが正念場です」

【特別抗告“断念”の理由は?】

この裁判を取材している社会部・島田直樹記者に聞きます。

(Q.検察はなぜ特別抗告の断念に至ったのでしょうか?)

島田記者:「検察側への事前取材では、再審開始決定について『捜査機関のねつ造にまで踏み込んだのは驚いた」「望んでいた結果と違うことは確かだ」という声が聞かれました。今回の東京高検のコメントでは『承服しがたい点があるものの』としたうえで『法が定める特別抗告の理由があるという判断には至らなかった』としています。これはどういうことかというと、特別抗告には憲法違反、判例違反などの理由が必要で、検察は今回、申し立ての理由を検討していましたが、見つからなかったということです。

島田記者:「裁判開始時期についてですが、過去にやり直しが行われた裁判では、検察側が特別抗告を断念してから、数カ月後に再審が始められた例が多くあります。袴田さんへの無罪への道が開かれた一方で、再審は袴田さんの裁判で、もし真犯人がいた場合でも審理は行われないため、事件の真相が解明されずに裁判が終わる可能性が高いと思われます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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