「勝つ日だね」“袴田事件”東京高裁が再審認める 争点だった5点の衣類の判断は…“証拠ねつ造”疑いまで踏み込む|TBS NEWS DIG
57年前、静岡県の旧清水市で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。東京高裁はきょう、袴田巖さんの再審=裁判のやり直しを認める決定を示しました。
長年の拘留によって精神的に不安定な状況が続く袴田巖さんに代わって、再審を請求している姉のひで子さん(90)は、決定を受け、満面の笑みを見せました。
姉 袴田ひで子さん
「戦ってきたかいがありました。ありがとうございます」
袴田さんはきょう、東京高裁には行かず、支援者と共に外出し、普段通りに過ごしました。
袴田巖さん
「(Q.きょうはどんな一日でしょうか?)勝つ日だと思うね」
1966年、旧清水市のみそ製造会社で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」。逮捕された袴田さんは、1980年に死刑が確定。
犯行時に袴田さんが着ていたとされる「5点の衣類」が、事件発生から1年2か月後、裁判が始まったあとにみそタンクの中から見つかるなど、不可解なことが多く、長年、えん罪が疑われてきた事件です。
その後、袴田さんは裁判のやり直し=再審を何度も求め続け、再審請求をはじめて33年後の2014年に静岡地裁が再審開始を決定。
記者(2014年3月)
「今、袴田さんが釈放されました。袴田元被告が釈放されました」
袴田さんを釈放し、再審の扉は開いたかに見えました。しかし、2018年、東京高裁は地裁の決定をくつがえし、再審を認めず。ところがその後、最高裁は「審理が尽くされていない」と東京高裁に差し戻すという異例の展開をたどりました。
最大の争点は「5点の衣類」に付着した血痕の色です。弁護団は、1年2か月もみそにつかりながら血痕に赤みが残るのは「不自然」として捏造された証拠だと一貫して主張。血のついた服を1年以上みそにつけても、この写真のように血痕に赤みが残るのか?それとも、黒くなるのか?
▼検察は「赤いまま」、▼弁護側は「黒くなる」と両者の主張は真っ向から対立していました。
東京高裁が下した判断はー
記者
「再審開始です、再審開始」
東京高裁は弁護側のみそ漬け実験について、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と評価しました。
弁護側が今回の審理で提出した、血痕に残された赤みが数日で失われるメカニズムを新たに示した鑑定を評価。一方、検察側の「長期間味噌につけられても赤みが残る可能性はある」という主張については否定しました。
さらに、「5点の衣類」は第三者が事件後にタンクに隠した疑いがあり、「第三者は捜査機関の者である可能性が極めて高いと思われる」と証拠ねつ造の疑いにまで踏み込みました。
検察が期限の20日までに特別抗告すれば、審理の場は最高裁に。特別抗告をしなければ、静岡地裁で再審が開始されます。
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