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重症リスクなくても使える『国産飲み薬』塩野義製薬“治験”の現場に密着(2022年2月3日)
新型コロナの影響が長引くなか、切り札として注目される「飲み薬」。現在、日本で使用されているのは、アメリカ・メルク社製の『モルヌピラビル』です。アメリカ・ファイザー社製の『パキロビッド(パクスロビド)』は、厚労省に承認を申請しました。
こうしたなか“国産の飲み薬”も実用化に向けた動きが加速しています。
塩野義製薬が開発中の『S-217622』は、ウイルスの増殖を抑えることで症状の改善や重症化防止を狙うというもので、最終段階の治験が進んでいます。
すでに使われているモルヌピラビルは、重症化リスクのある人向けのもの。一方、塩野義の治療薬は、12歳以上であれば重症化リスクのあるなしに関係なく使用することを想定しています。
先月27日、治験に参加したのは、前日に感染が判明した大学生。治験では、投与されたのが開発中の薬か偽薬かは分からない仕組みです。
治験参加者(大学生):「インフルエンザのタミフルは、すぐ病院に行って処方してもらえる。生活している身からすると安心なんですけど、コロナは受診できる病院が限られていたり、安全な効果がある薬があると、仮に感染しても対応できるのかな」
開発は順調に進んできたわけではありません。最終段階の治験が始まったのは去年9月。年内に承認申請をする構えでした。
塩野義製薬・手代木功社長(去年9月):「(Q.年内にも申請か実用化を早ければ)次の1月2月3月くらいに、安心安全な経口薬をお届けできるかどうかは全然違うと思っていますので、安全で有効であればお許し頂けないかと思っている」
ところが、暮れにかけて感染者が減少。治験を進めようにも、患者がなかなか集まりませんでした。
ただ、これまでに明らかにされた治験結果によりますと、治療薬を投与したグループでは、偽薬の場合に比べて、3日後にウイルスが検出される人の割合が6~8割減少したといいます。
東京都は去年から始まっていた療養施設での治験を拡大し、協力体制を強化しています。
東京都・小池百合子知事:「国内企業による薬の安定的な供給は、安全保障の問題。都も尽力します」
今使われているモルヌピラビルは海外から輸入せざるを得ず、医師も入手に苦労しているといいます。
公平病院・公平誠院長:「本当に国内の需要に対して賄えるか不安がある。安定的な供給面からは、国内で製造された薬が必要ではないか」
塩野義製薬は、3月までに100万人分の供給体制を整え、4月以降は年間1000万人分以上、生産する予定です。
塩野義製薬臨床開発部・市橋健樹さん:「安全性・有効性は人種間で少しばらつきがあると言われている。ほとんど日本人のデータを集めているのが強みの一つ。今、第6波の真っただ中で、ピークがいつ終わって、いつ収束していくか分からない。十分なデータが集まれば、この波の間に世の中に届けることも視野に入れている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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