【第五福竜丸 】中学生向け“平和教材”から削除へ

【第五福竜丸 】中学生向け“平和教材”から削除へ

【第五福竜丸 】中学生向け“平和教材”から削除へ

アメリカの水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の記載について、平和教材からなくなることが分かりました。記載がなくなるのは、広島市が平和教育で使用する「ひろしま平和ノート」の中学生向けの教材です。広島市の平和教材をめぐっては、多くの人に原爆の惨状を伝えてきた漫画「はだしのゲン」の削除がすでに決まっています。

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東京・江東区の施設には、高さ15メートル、全長約30メートルの木造の船体が展示されています。今から69年前、アメリカの水爆実験で被ばくした静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」です。1954年3月1日、アメリカが太平洋マーシャル諸島にあるビキニ環礁で行った水爆実験。近くで操業していた第五福竜丸は「死の灰」を浴び、23人の乗組員全員が被ばくしました。

3日、実物の展示を見に来た人からは、「なぜ(教材から)消すのかなと思って。子どもに知らせないと(いけない)。すごく大事ですよね」といった声が聞かれました。

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広島市の平和教育プログラムの教材、中学生向けの「ひろしま平和ノート」には、第五福竜丸の被ばくについて記載されていて、被ばくから半年後に亡くなった無線長の久保山愛吉さんが残した「原水爆の被害者は私を最後にしてほしい」という言葉もありました。

しかし、広島市教育委員会は4月から、「第五福竜丸」の記載を削除することを決めたのです。その理由として、教材の内容の見直しを進める中で、有識者から「被ばくの実相を確実に継承する内容になっていない」という指摘があったためだとしています。一方で、「教員を指導する資料には残す」ということです。

広島市教委 指導第二課 長屋吉輝課長
「核軍縮の流れの中で、きっかけとなった事象として第五福竜丸のことがあるので、指導資料にも残して(授業で扱うよう)指導するという設定にしている」

新しい教材には核保有国の核弾頭の数や、世界の核実験場の分布図などが記載されるということです。

都内の展示施設の担当者は――

第五福竜丸展示館・安田和也主任学芸員
「日本が広島・長崎に続いて、第五福竜丸の被ばくの被害があった。その出発点を(教材から)とってしまうのは非常に残念ですし…」

広島市の平和教材をめぐっては、多くの人に原爆の惨状を伝えてきた漫画「はだしのゲン」の削除がすでに決まっています。

小学3年生向けの教材に記載されていた、浪曲を歌ってお金を稼いだり、他の家の池からコイを盗んだりする場面に対して、専門家などから「被ばくの実相に迫りにくい」「補足説明が必要になる」などといった意見が上がったためだといいます。

4月からの新教材では「はだしのゲン」に代わって、原爆で家族を失った女性の体験が記載されることになっています。
(2023年3月3日放送「news every.」より)

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