【報ステ解説】「闇バイト強盗の手口と酷似」福島県内で相次ぐ“高齢者殺害”関連性は(2023年2月27日)

【報ステ解説】「闇バイト強盗の手口と酷似」福島県内で相次ぐ“高齢者殺害”関連性は(2023年2月27日)

【報ステ解説】「闇バイト強盗の手口と酷似」福島県内で相次ぐ“高齢者殺害”関連性は(2023年2月27日)

福島県南相馬市の自宅で、70代の夫婦が男らに襲われ、現金を奪われた事件で、東京都内に住む男が27日に逮捕されました。

先月以降、福島県では、高齢者が殺害される事件や、強盗目的とみられる事件が相次いでいました。

強盗致傷の疑いで逮捕されたのは、東京都多摩市の自称とび職、瓜田翔容疑者(20)です。

中学時代の先輩:「自分は中学の一つ上の先輩。町で会うと、あいさつしたりする。礼儀正しくて、変な言葉遣いもなく、態度が悪いこともなく、会えばあいさつしてくれる。ちゃんと敬語も使える子だった」

1カ月ほど前にあった時、借金の話を聞いたといいます。

中学時代の先輩:「(借りたのは)友だちとか先輩、周りの親しい人からだと思う。消費者金融とかじゃない。100万円くらい。ちゃんと清算した方がいいと話して、その時は各方面に連絡取っていて、話を進める気があると。真面目に生きていくつもりはあるのかなと思っていた。本人はそんなに悪いやつじゃない。イメージからは強盗事件は結びつかない」

警察は、犯行に使われた車を特定し、行方を追っていたところ、都内で瓜田容疑者を発見し、逮捕しました。

事件は、26日午後3時過ぎに起きました。

星邦康さん(77)の家に、数人の男が押し入り、棒状の凶器で、星さんの頭や上半身を複数回殴ったうえ、現金約10万円と貴金属を奪い、逃走しました。

星さんの友人:「(Q.多くの土地を持っている?)土地だな。土地っていうと、ここの屋敷と太陽光発電。(Q.どんな仕事をしていた?)(星さんの)父親は乳牛。その後、自分は和牛の飼育。ぴたっと辞めて、ちゃんと小屋を全部とっぱらって(事業の)最後の最後まで、きちっとした人だった」

星さんは、頭に軽度の骨折、現場には妻もいましたが、けがはありませんでした。

その妻から連絡を受けた娘が110番通報。星さんは病院に搬送され、意識はありますが、重傷です。

敷地内には、家族の家だけではなく、復興にあたる作業員の宿舎もあります。今も数人が入居しているということです。

入居している作業員:「(きのう)部屋にいたけど、車通った形跡がない。すぐ分かる、車通ったら。角だから。(Q.車が通った音は分かる?)分かる。砂利道なのですぐ分かる。あとは歩いてしか入ってこられない。自分たちも、ここから入って、ここから出ていく」

現場周辺のカメラには、犯行車両とみられる、関東で借りたレンタカーが映っていました。

今年に入り、福島県では、凶悪な事件が相次いでいます。

南相馬市の現場から、直線で約80キロ離れた、いわき市の事件。

福島県警・安齋浩明刑事部長:「現場及び、ご遺体の状況などから、殺人事件と認め、捜査員の大量投入と組織的な捜査を推進するため、捜査本部を設置したもの」

先月15日、いわき市の根岸三男さん(77)が、自宅1階の寝室で、仰向けに倒れているのを妻が発見し、その場で死亡が確認されました。

死因は窒息死で、顔や頭に強い力で殴られたような傷があったということです。

その現場から、約7キロ離れた住宅では、強盗殺人事件が起きています。

今月3日午後7時ごろ、いわき市の住宅で1人で暮らす、小松ヤス子さん(85)が、1階の廊下で血を流して倒れ、死亡しているのが見つかりました。

小松さんの頭には複数の傷があり、頭蓋骨が骨折していました。

警察によりますと、鈍器で殴られた可能性が高いということです。

家全体には、荒された形跡がありました。

近所の人によりますと、資産家だったという話もあります。

近所の住民:「昔から億万長者って言われていた。近所の人は、お金があることはみんな分かっていた。何も使わない。お金を絶対使わないというような。(Q.結構、倹約家?)そうです」

小松さんは3日昼ごろに、1人で自宅に向かって歩いている姿が、近くの防犯カメラに映っていたことなどから、この日の午後に殺害されたとみられます。

周辺の住宅では、事件の数日前から、不審な人物がうろついていました。

近所の住民:「(スーパーの)駐車場を借りて、バザーをやりたいので、何か品物を出してほしいと。貴金属の時計とかがあれば出してほしいと」

実際にはバザーの予定はなく、捜査本部は、何者かが住民の資産の情報を集めるため、買い取り業者を装っていた可能性もあるとみて、事件との関連を調べています。

26日の南相馬市の事件でも、同様の動きがありました。

近所の住民:「(Q.セール・バザーがあるみたいな人が来たことは?)電話入ったことありますよ。アポ電みたいな感じで。『古い瀬戸物がないか』とか電話がきて。アポを取ってきたので、これはうちの中を見に来るのか、うちの雰囲気を見にくるのか。(Q.それはいつくらい?)1カ月前くらいかな。(Q.どういう連絡があった?)東南アジアの方に販売するみたいな。『どんなものでもいいから、見せてください。買い取りますから』という感じの電話があったみたい」

個人の資産情報などを売買する名簿業界。その実情に詳しい人物によりますと、原発関連の助成金などを目当てに、福島県の高齢者が狙われているといいます。

名簿業界に詳しい人物:「国からのお金とか、お金持ちの人が増えた。コロナの前に、その人たちに“仕掛け”ようと作っていたリストがある。今回狙われた星さん、リストにはもちろん入っていた。投資をされようとしていたみたい」

実は、当初の予定よりも、犯行が早まっている可能性があるといいます。

名簿業界に詳しい人物:「(手口が)雑です。極端に雑。今回、ルフィとか色々なことがあった。逮捕者が続出していて、当局も規制かけてくるので、その前にということだと思う」

【相次ぐ強盗事件 関連性は?】

◆元埼玉県警捜査一課の刑事で、現在は様々な事件を取材している、佐々木成三さんに聞きます。

(Q.全国各地で起きている一連の事件との類似性はどうみますか?)

佐々木さん:一連の闇バイト強盗事件と手口が酷似していると感じます。場所が“郊外”で、被害者が“高齢者”、犯人が“複数人”であることに加え、東京都内で借りたレンタカーを使った容疑者が逮捕されています。土地勘のない人が現場に行っているとなると、指示役がいる可能性は高いと感じています。

(Q.「ルフィ」が指示した事件との関連は分かっていませんか?)

佐々木さん:ルフィ関連のグループと関係ないとは言えませんが、残念ながら国内には、他のグループがいることが明らかになっています。情報リスト、闇バイトに関連するマニュアルを持った犯罪グループが関係していると感じています。

(Q.福島県内で相次ぐ強盗・殺人事件との関連性はどうみますか?)

佐々木さん:福島に特化したリストを使った犯行の可能性が高いと思っています。犯罪のマニュアル、情報リストを持っていれば、こういった犯罪ができるグループが国内にいるので、今でも犯罪が起きていると感じています。

(Q.この流れをどうしたら断ち切ることができますか?)

佐々木さん:闇バイトに関しては、メディアでこれだけ「危険性がある」「リスクがある」と伝えているにもかかわらず、SNS上では今でも、闇バイトを募集する投稿・アカウントが相次いでいます。警察と民間が、闇バイト関連の投稿を削除することに力を入れていますが、応募する若者がまだいるというのが現状です。犯罪で捕まってしまう、自分の人生が終わってしまうという、想像力がない者が、闇バイトをしてしまうというのが特徴と言えると思います。総合的な対策を使って、闇バイトを募集する投稿を削除し、若者が闇バイトに応募しないようにしていく。情報モラルやネットリテラシーの教育といった観点から、総合的・多角的にに進めなくてはいけないと感じています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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