大量のイワシ漂着 死骸で商品にならず漁にも悪影響 青森の街が困惑(2023年2月27日)

大量のイワシ漂着 死骸で商品にならず漁にも悪影響 青森の街が困惑(2023年2月27日)

大量のイワシ漂着 死骸で商品にならず漁にも悪影響 青森の街が困惑(2023年2月27日)

 イワシの豊漁や大量漂着の影響が日本各地に広がっています。青森では名産品のホタテに悪影響を及ぼしている一方で、新潟ではクロマグロが大量に水揚げされる異例の事態に。

 油圧ショベルが運んでいるのは、大量の『マイワシ』です。青森県の陸奥湾で今月に入り、およそ50キロにわたって相次いで漂着し、イワシが折り重なるように砂浜を埋め尽くしました。

 青森県横浜町・石橋勝大町長:「重機の入らない場所もある。これから検討して良い方法で回収できれば。悪臭を除去して、住民に迷惑が掛からないような状態にしたい」

 死骸だと商品にならないため、重機を使って砂浜に埋めているそうです。

 今月17日には生きたイワシが大量に打ち上げられ、地元の人がバケツを片手に拾い集める姿も…。

 近くの住民:「(Q.どう料理して食べる?)やっぱり甘露煮風に煮て。煮付けだ」「さっき浜辺にいた人は『刺身用だけ取ってる』って」「(Q.刺身用?)生きてる、生きてる。ちょうど寄せてくるから」

 青森県の水産技術センター水産総合研究所は「海水温が低下して仮死状態となったイワシが水面に浮き上がり、強い風で打ち上げられたのではないか」とみています。

 しかし、あまりの量に地元の人だけでは消費しきれず、イワシは次々死骸となってしまいました。青森県内の「マイワシ」の漁獲量は2008年からの10年間で1500倍に急増。その後、数年間は減少傾向でした。しかし、関係者は今回の豊漁を喜んではいないようです。

 野辺地町漁協・山縣勝彦組合長:「我々の組合で放流している稚貝ホタテを食べてしまった」「(Q.全部食べられた?)(残っているのは)ほぼ皆無に近い」

 青森県の陸奥湾に漂着した大量の「マイワシ」。環境への影響や漁に船が出せなくなるなど支障が出ていることで27日、撤去が行われました。実は5年前にもイワシが大量に打ち上げられ、その時は撤去が遅れたため、春から初夏に取れる「ブランド・ホタテ」に悪影響を及ぼしていました。

 野辺地町漁協・山縣勝彦組合長:「イワシが大量に発生して、カニがイワシを餌(えさ)として大きくなって、イワシがなくなったのでホタテ(の稚貝)を食べる形になった」

 イワシを狙ったカニによる「ブランド・ホタテ」の食害。イワシの回収は風が強く波も高いと危険が伴うため、難航することもあるそうです。ホタテ以外にナマコ漁でも悪影響が出ていました。

 野辺地町漁協・山縣勝彦組合長:「(ナマコの)網に袋いっぱいのイワシが入っているので仕事的には大変」「(Q.ナマコ漁ができない状況?)大変だが、ヒトデやイワシを取り除いて陸に揚げている状態」

 さらに、イワシを巡って日本海で珍しい現象が…。新潟県佐渡市でクロマグロがまとまって水揚げ。平均50キロ台のマグロが38本という大漁で、一番大きなもので170.5キロでした。

 漁業関係者:「久しぶりに大きいのが入ったので、良い値が付いてくれればいいと思う。湾内にイワシもいっぱい入っているし、餌を追って(マグロが)入ってきたのかもしれない」

 佐渡市のマグロ漁は夏場が中心で、この時期にこれだけのマグロが定置網に掛かるのは珍しいといいます。関係者は近海で発生したイワシの群れが影響したものとみています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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