世界の水問題の解決へ 信州大学の結晶技術「信大クリスタル」を活用 タンザニアで浄水の実証実験|TBS NEWS DIG
長野県の信州大学の研究チームが結晶を作り出す技術を使って、世界の「水問題」の解決に乗り出しました。「信大クリスタル」と呼ぶこの技術で今、取り組んでいるのがアフリカのタンザニア、フッ素で汚染された水の浄化です。
先月下旬、信州大学の研究チームが訪れたのはタンザニアのレマンダ村。マサイ族およそ300人が暮らす集落には、水道も電気もありません。
これが、集落で唯一の水くみ場。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「タンクを持って集まってきて、水をくんで生活に使っているという場所です」
この水には高濃度のフッ素が含まれていて、長期間摂取すると、骨が変形する病気になる危険があります。
信州大学の手嶋勝弥教授が手がける「信大クリスタル」。さまざまな原料を混ぜ合わせて溶かし、蒸発させたり冷やしたりして作り出される結晶です。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「我々の中ではこれを『レシピ』と呼んでいるんですけど、まさに料理人が味を決めるときに、ほんの少しの調味料の誤差も許さないようなイメージ」
手嶋教授が持つ「信大クリスタル」のレシピは300種類以上。今回、新たに作り出したのは…
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「これが層状複水酸化物=LDHの結晶」
マグネシウムとアルミニウムを原料とした結晶=LDH。「フッ素」を吸着する性質があります。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「私たちの水の浄化システムは、とても簡単で高性能です」
レマンダ村で山から流れてくる水に含まれる高濃度のフッ素。この集落でも骨の変形や歯が欠けるなどの症状が現れている子どもがいます。
アフリカでは同じように水がフッ素に汚染されている地域が多くあります。
手嶋教授は実証実験で、村に超簡易型の浄水設備を設置。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「フッ素除去剤(LDH)です。投入します」
一番下のタンクにLDHを入れ、フッ素の濃度が安全なレベルまで下がることを確認しました。
浄化した水は、集落に初めて設置された蛇口から出るようになります。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「水道を作ったときに一番最初に子どもたちが集まってきた。子どもたちの笑顔は最高でした」
長年、国の事業としてフッ素の除去に取り組んできたタンザニア。
信大クリスタルを使った浄水設備は低コストで長く使えることから、大きな期待が寄せられています。
信州大学 工学部 手嶋勝弥教授
「信大クリスタルのフッ素を除去したりヒ素を取ったりするような材料は、世界中のいたるところの課題解決を可能にしてくれる。その地の水問題に応じた材料を提供していきたい」
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