“釜玉中華そば”人気 光熱費&食材↑も“利益確保”「値上げの予定なし」(2023年2月22日)

“釜玉中華そば”人気 光熱費&食材↑も“利益確保”「値上げの予定なし」(2023年2月22日)

“釜玉中華そば”人気 光熱費&食材↑も“利益確保”「値上げの予定なし」(2023年2月22日)

 光熱費と食材費の高騰が続くなか、具が卵とネギだけのラーメン店が話題になっています。十分な利益を確保して、店舗拡大を狙う裏側を取材しました。

■麺にタレと卵を絡めて食べる…“シンプルラーメン”

 店の前には、10人以上が列を作っています。

 40代:「ワンコインぐらいから食べられますし、めちゃうまくて。もう毎週のように来ています」

 並んでも食べたい、人気のラーメン。その名も「釜玉中華そば」。並盛で590円です。

 麺の上には、白髪ねぎ。その中央に生卵…具はこれだけです。麺にタレと卵を絡めて食べる、釜玉うどんのラーメン版というわけです。

 実際に食べてみると、ちぢれ麺のような感じで太めです。麺がもちもちで、卵と絡み合っていてコクもあります。結構さっぱりとしています。さっぱりとしているからこそ、お箸がどんどん進みます。普段ラーメンをそこまで食べない人でも楽しめると思います。

 濃いめのタレは、魚介や豚骨などをブレンドしたラーメンスープを使っているといいます。至ってシンプルなラーメンですが…。

 50代:「麺がすごくおいしいので、何回か来ている。私、出来ればスープがあるほうが好きなんですけど。出てくるのが早いし、サクッと食べられるので、ありだと思います」

 30代:「思っていたより、ちょっと濃厚だなと思った。うまく卵と絡んでいておいしい。これから店舗、増えそうだと思う。安いし、食べやすいですね」

■スープは“別店舗”で作って…ガス代を節約

 この「釜玉中華そば」を考案して、ナポレオン軒を創業したのは、小宮一哲さんです。

 小宮さんは人気店「つけめんTETSU」を手掛けた、ラーメン業界で知らない人はいない、カリスマです。

 そのカリスマが、なぜここまでシンプルなラーメンにたどり着いたのでしょうか…。背景にあるのは、異常とも言える物価高です。

 釜玉中華そば ナポレオン軒・小宮一哲さん:「何がどれだけ値上がりするか分からない状況で、(麺に)乗せるものが少ない、麺だけで成立するものを作れば、値上げしなくていいのではないかと思って。麺が主役というと“釜玉中華そば”かなと思って」

 今までのやり方では、利益が確保できないと一念発起。去年3月、「釜玉中華そば」の専門店をオープンさせたというのです。

 光熱費は、東京電力の平均モデルを見ると2年前の1月、7631円だった電気代は、今年の1月には、9126円まで高騰。スープを煮込むのに欠かせないガスも、この2年で、ひと月3000円近く値上がりしています。

 これに対しては、タレに使うスープを店舗で煮込むのではなく、同じグループの別の中華そば店でまとめて作り店に運んで来るため、ガス代はかなり節約できているといいます。

■“シンプルメニュー”のおかげで「値上げの予定なし」

 そして、食材は…。

 小宮さん:「異常事態だと思いましたね。小麦粉もそうですし、油もそうですし、ネギもそうですし、チャーシュー、豚ガラ、鶏ガラ、ほんとあらゆるものすべてが値上がりしている」

 ここ1年でチャーシューに使う豚肉は、家計調査では100グラム242円から263円に。小麦粉1キロに至っては、264円から316円に50円以上も値上がりしています。さらに使っている卵も、今年に入り価格が急騰。

 小宮さん:「毎月毎月じわじわ値上げされている状況で、元々(1ケース200個)3000円を切るくらいだったものが、3500円に差し掛かろうとしている状況」

 それでも値上げせずに続けていけるのは、具材を最小限にしたシンプルメニューのおかげで、飲食店の利益を確保するための指標とされる“原価率30%以下“を実現。しっかりと黒字化できているということです。

 小宮さん:「この先も特別なことがない限り、値上げする予定はない。小麦粉とネギと卵の値上げだけ気にしていればいいという部分で、管理する品数が少ないというのは非常に有効だと思う」

(「グッド!モーニング」2023年2月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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