【報ステ】米中の溝深める“気球問題”高い技術を持つ可能性 最前線を取材(2023年2月17日)

【報ステ】米中の溝深める“気球問題”高い技術を持つ可能性 最前線を取材(2023年2月17日)

【報ステ】米中の溝深める“気球問題”高い技術を持つ可能性 最前線を取材(2023年2月17日)

中国の気球問題をめぐり、アメリカのバイデン大統領は撃墜したことについて、「謝罪しない」と改めて強調しました。
アメリカ・バイデン大統領:「中国との新たな冷戦は望んでいないが、気球の撃墜については謝罪しない。習近平氏と対話をし、真相を究明したい」

一方、中国当局は、こう話します。
中国外務省・汪文斌副報道局長:「両国首脳の協議について、特に提供できる情報はない」

“気球”は、ウクライナでも確認されています。ウクライナ空軍によりますと、15日、首都キーウ周辺で、ロシア軍の気球6つを確認。大半を撃墜したとしています。気球の下には、十字型の反射板がぶら下がっていて、これでレーダーの妨害をしようとしたとみられます。

戦場で軍事利用される気球。これは、今に始まったことではありません。

日本には、第二次世界大戦中、“気球連隊”という名の部隊が陸軍に存在していました。『91式繋留気球』は、全長約30メートル、戦場で、敵軍の位置を探るためなどに使われていた偵察気球です。
千葉市立郷土博物館・菅清主任主事:「気球は戦争と切っても切れない関係にありました。日露戦争(1904~)から使われるようになりまして、太平洋戦争まで使われていました」

気球連隊は、終戦間際には、壮大な攻撃計画を担っていました。
千葉市立郷土博物館・菅清主任主事:「日本の太平洋沿岸から無人気球をあげて、対岸のアメリカまで飛行させて爆弾を落とすという兵器」

その気球には、焼夷弾などが乗せられ、風船爆弾と名付けられました。実際に数百がアメリカ本土に着弾。6人の民間人が犠牲になったという記録も残っています。

世界では、終戦後も気球の軍事利用は続きました。冷戦期には、アメリカは気象観測を装った『モビー・ディック計画』などと呼ばれる偵察活動を本格化させます。ソ連上空に300以上の気球を飛ばし、核施設を発見したこともあります。そして、現在でも、アメリカなどには偵察気球を販売する軍事会社があります。

茨城県にも、気球を使った最先端技術の開発を進める企業があります。『スペース・バルーン社』では、気球を成層圏まで飛ばし、データ収集や映像撮影を行っています。将来的には、気球による宇宙旅行の実現を目指します。

中国が気象観測用だと主張する気球の映像を見てもらいました
『スペース・バルーン』安川遼取締役:「(気象観測用としては)あまりないケースだと思います。我々はゴム気球なんですが、こちらは別の素材を使ってるんじゃないかなと。(Q.材質がゴムと違うのは)(ほかの素材だと)なるべく長期間、浮遊させておくのに適している。上空から監視している役割を担えるのが気球です。そういったことに使用されたのではと、私個人は考えています」

アメリカメディアが気象条件などから分析した気球のルートを見てみると、そこには数多くの軍事基地がありました。アメリカ政府高官によりますと、気球には、プロペラがついていたとされています。
『スペース・バルーン』安川遼取締役:「気球をコントロールして目的の場所に飛ばすという技術を持っているのであれば、かなり技術としては進んでいるかなとは思います。ソーラーパネルと報道されていますけども、もしかしたら、ほかの場所からの信号を受け取る受け皿になっている可能性も」

気球を地上からコントロールする技術は、最先端の気球開発において、最も重要な要素だそうです。スペース・バルーン社でも開発を進めています。成層圏と地上でデータをリアルタイムでやり取りでき、さらにプロペラなどを取り付ければ、気球の位置や高度を制御でるようになるといいます。この地上からコントロールする技術は、宇宙を目指すために欠かせません。
『スペース・バルーン』安川遼取締役:「最終的には人が乗っても、安全に成層圏まで飛行できるものを一番の目標として掲げている。開発技術理論という点においては我々でも可能」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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