被爆者「日本が真っ先に立って」核大国“異例”の共同声明(2022年1月4日)
核兵器を持つ5つの大国が異例の共同声明を出しました。声明では、NPT=核拡散防止条約の責務を果たしていくとしています。
米中ロ英仏の共同声明:「核戦争に勝者はおらず、決して起こしてはならない。核兵器は存在するとしても、防衛、侵略や戦争の抑止を目的とすべきで、我々は核兵器が、さらに拡散することを防がねばならない」
核軍縮などに向け行われる『NPT再検討会議』。新型コロナの影響で再び延期となったタイミングで、今回の声明が出されました。
被爆者らの運動が実を結び、核兵器の開発や保有・使用などを全面的に禁止する『核兵器禁止条約』が、去年1月、発効されました。しかし、核保有国や日本政府は、この条約を批准していません。
岸田総理:「被爆地広島出身の総理大臣として、核兵器のない世界の実現に向け、引き続き、全力を注いでいく」
岸田総理は4日の会見でこう述べましたが、今回の声明には触れませんでした。
9歳のころ長崎市内で被爆した羽田麗子さん(85)。30年前から被爆体験を語り続けています。今回の声明について、こう話します。
長崎で被爆・羽田麗子さん(85):「これから先、核戦争はしない、核を使った基地を攻撃することもない。だけど、日本政府の反応がない。それ(声明)に対して。本当は日本が真っ先に立って、(核兵器禁止条約に)署名して、他の国を引っ張り上げていかなくてはいけない。できるんです。日本は唯一の被爆国だし、核の被害を一番知っているから」
現在、各国が保有する核弾頭は、1万3080発と推定されています。また、核保有国は核兵器の近代化を進めるなど、新たな軍拡競争が引き起こされています。
核兵器禁止条約の成立に貢献し、2017年にノーベル平和賞を受賞した、国際NGOのICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン事務局のセリーヌ・ナオリさんは、こう話します。
ICAN国際事務局のセリーヌ・ナオリさん:「この数カ月間で、イギリスと中国が核兵器を増やしていると聞いている。核の拡散や事故のリスクが高まり続けている。声明や対話の継続は歓迎できるが、問題の核心は変わらず、すべての核兵器を廃絶しないかぎりリスクは高いまま」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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