【尊敬するお子様】金正恩総書記と手をつなぎ…娘のジュエ氏「軍の宴会」に (2023年2月8日)
8日に北朝鮮メディアが報じた朝鮮人民軍創建75周年を記念して行われた宴会の様子です。軍の幹部らに囲まれ、テーブルの中央にいたのは金正恩総書記ではなく、娘のジュエ氏でした。
公開された写真では、仲睦まじく父と手をつないで歩くシーンも。金正恩総書記の娘・ジュエ氏の動静が伝えられたのは3回目です。黒いジャケットにスカーフとフォーマルな服装で、リクルートシューズ風のベルト付きの靴などどこか“フレッシュさ”を感じさせます。
去年11月、初めてメディアに登場した時は白いダウンジャケットにポニーテールとあどけなさが残る印象。次は一転、毛皮がついた黒いロングコートに巻き髪で大人っぽさを感じさせました。
そして、3回ともに共通するのが胸に金日成（イルソン）氏、正日（ジョンイル）氏のバッジがないという点です。北朝鮮でこれらのバッジをしていないのは、正恩氏と妻の李雪主（リ・ソルジュ）氏くらいで妹の与正（ヨジョン）氏も付けています。また、今回のメディアへの登場で最も注目されたのがジュエ氏の紹介のされ方です。
これまでの紹介では、1回目が「愛するお子様」、2回目は「尊いお子様」と立場の高さが上がりました。そして、今回は「尊敬するお子様」。北朝鮮で金日成氏、正日氏、正恩氏の最高指導者以外に「尊敬する」との敬称が用いられるのは非常に異例だといいます。
コリア・レポート、辺真一編集長：「完全に別格な扱い。段階的に娘に対する地位が高まっている。もしかすると後継者にする気なのか」
さらに専門家が注目するのが、この写真です。大勢の軍幹部を後ろに立たせた写真では、正恩氏が横でジュエ氏が真ん中に。主役はジュエ氏、後継者だと言わんばかりだというのです。
コリア・レポート、辺真一編集長：「誰の目にもそのように映る。核・ミサイルの開発、保有、次の世代の未来の世代のものであるという意味で」
ではなぜ、まだ10代の娘を公の場に出したのでしょうか。専門家は父・正恩氏の健康に不安があるのではないかと指摘します。
コリア・レポート、辺真一編集長：「（金正恩氏が）36日間、元旦の少年団員の記念写真撮ってから姿を消した、動静不明だった。普通の国だと国のリーダー、指導者が1カ月も動静が伝えられないのはあり得ない。健康上にもし問題があるなら、早く後継者を立てなければならない。10歳そこそこの娘を今、慌ててでなはないが後継者として引っ張り出す理由はない」
北朝鮮では8日夜、朝鮮人民軍創建75年を記念して大規模な軍事パレードが行われる見込みです。
コリア・レポート、辺真一編集長：「（ジュエ氏の訪問は）今は全部、軍関連だけ。一般に対しては、まだ披露されていない。（きょう）朝鮮人民軍の軍事パレードがおそらく行われている。（軍事パレードに）出てきた時に“出るか”“出ないか”がポイント。10万人以上の平壌市民たちも全部、金日成広場に来る」
また一方で、金正恩氏は演説のなかで軍に「永遠の平和」や「後世のために」などと語っていて、娘を軍との公の場に出すことで武力が北朝鮮の永続のために必要だと印象付ける狙いがあるとの見方もあります。
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