ノロノロ台風、理由は「温暖化」 強い勢力で北上中 沖縄は強風域に(2023年5月30日)

ノロノロ台風、理由は「温暖化」 強い勢力で北上中 沖縄は強風域に(2023年5月30日)

ノロノロ台風、理由は「温暖化」 強い勢力で北上中 沖縄は強風域に(2023年5月30日)

 大型で強い台風2号は沖縄県の南の海上を北上し、石垣島など先島諸島が強風域に入りました。

■ノロノロ台風2号 自転車並み

 沖縄県の南の海上をゆっくりと北上している「台風2号」。過去に類似点がある台風がありました。

 おととし7月、宮古島を中心に浸水や停電などの被害をもたらした「台風6号」。沖縄付近を5日間ほどかけて通過し、中国方面に抜けていきましたが、この時の速度は時速10キロほど。今回の台風2号と同じです。

 台風は高気圧の「ふち」に沿って北上しますが、おととしも今回も高気圧の勢力が弱く、速度が上がらないといいます。

 さらにこの後、台風2号は本州に近付いてもなかなか加速しない可能性が…。

■「近年 速度遅い」最新研究が

 実は「近年、本州に近付く台風の速度が遅くなっている」との研究結果が出ているのです。

 気象庁気象研究所・山口宗彦主任研究官:「東京に接近した、ある程度強い台風の移動速度を過去40年で比較した。1980年から99年(20年間)、時速48.1キロ。2000年から19年(20年間)、時速30.6キロ」

 速度の違いを本州を横断する台風に当てはめて単純比較してみると、20年前までの台風は九州南部から20時間かけて東京に到達。しかし、近年の台風はその時、まだ大阪付近に。東京に到達するのは30時間後です。

 遅いということは、それだけ影響が長引くということ。なぜ、遅くなっているのでしょうか。専門家は…。

 気象庁気象研究所・山口宗彦主任研究官:「台風というよりも台風を取り巻く環境が変わっている。地球温暖化によって、その西風(偏西風)が弱くなるとともに、ちょっと北に移動している」

■ノロノロ台風 理由は「温暖化」

 日本の上空で一体、何が起こっているのでしょうか。近年、台風の速度が遅くなっているといいます。専門家は、その理由の1つに「温暖化」を挙げます。

 気象庁気象研究所・山口宗彦主任研究官:「日本付近だと偏西風が主な台風を動かす風になっている。地球温暖化によって、その西風(偏西風)が弱くなるとともに、ちょっと北に移動している」

 日本の上空を西から東に向かって吹く「偏西風」。

 台風は偏西風に押される形で速度を上げ、東寄りに進みます。寒気と暖気の間を流れる偏西風はこの気温差が大きいほど強く吹きますが、近年は温暖化の影響で寒気が弱まり、気温差が小さくなっているといいます。当然、偏西風は弱まって押す力が減少するので、台風はゆっくり進むことになるそうです。

 気象庁気象研究所・山口宗彦主任研究官:「(台風の)持続時間が長くなって積算降水量も増えれば当然、想定される被害も大きくなることが想像される」

 今後、台風2号はどのような速度で進むのでしょうか。現在、沖縄の南の海上を北上中です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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