“宣言”発出の必要性について病院は・・・総理「現時点で検討せず」(2022年1月31日)

“宣言”発出の必要性について病院は・・・総理「現時点で検討せず」(2022年1月31日)

“宣言”発出の必要性について病院は・・・総理「現時点で検討せず」(2022年1月31日)

東京都が31日に確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は1万1751人でした。重症者は26人で、1人の死亡が確認されました。自宅療養者は7万人を超えて増え続けています。

31日から始まった自宅療養サポートセンター『うちさぽ東京』。東京都の場合、無症状や軽症でリスクの低い自宅療養者は、保健所や医師による健康観察はなくなりました。代わりに、自分で毎日の健康を観察して、体調に変化があった場合など、助けが必要なときに『うちさぽ東京』に連絡します。
新型コロナ感染症対策調整担当・遠藤善也部長:「(午前中で)入電数が約6000件。配食が約1400件、パルスオキシメーターが約1200件。何かあったときには必ずフォローできる体制を整えていく。そういう仕組みにきょうから変えていく」

これまでフォローアップセンターは、70回線で対応していましたが、『うちさぽ東京』は最大で300回線まで増やしました。24時間、11カ国語に対応しています。

30日に同居する家族が陽性とわかり、自宅待機になっている番組関係者も利用してみました。濃厚接触者とみられますが、まだ検査は受けられていません。食料の備蓄はありますが、小学生の子どもがいる家族4人。10日以上も自宅で過ごすことは想定していませんでした。
番組関係者:「感染した1人分の食料を1週間分送ってくれるということ。少しでも食料の配布があるのは、すごく安心にはなる」

50歳未満の自宅療養者は、体調が悪化し、診察を受けたいなどのほか、食料品の配送や、そのほかの困ったことを相談することができます。症状に応じて7日や10日を待って、自分で判断して、職場や学校に復帰することになります。

27日に8歳の子どもと30代の母親に症状が出た家族には、保健所からの連絡がないままでした。
母親(30代):「3日くらいは待とうかなという気持ちがあって、きょうになってショートメールの連絡が保健所から届いて。24時間対応と『うちさぽ東京』は書いてあって、区の保健所は時間が平日に限られていたりするので、今回、電話してみて、結構、つながりやすかったので、良かったなとは思っている」
幸い、症状はやわらいできましたが、体調の変化は夜間に多く、不安だったそうです。
母親(30代):「夜の時間帯だったときあったので、救急に電話するか。救急も、いま大変そうなので申し訳ないというのもあり、電話相談みたいなものがあれば良かったかなと思うので、24時間対応はいいと思う」

都内の保健所は、スマートフォンのショートメールを活用することで、電話では1人10分かかっていた連絡が、3分で済み負担軽減になり、その分、悪化の心配がある持病を持つ人などを集中的にフォローできるようになると期待しています。

31日に発表された東京都の病床使用率は、49.2パーセント。これは、都が、国に緊急事態宣言を要請するか検討する目安としてきた50パーセントに迫る数字です。現段階で“宣言”発出の必要性があるかどうか、都内の病院に話を聞きました。
河北総合病院・杉村洋一院長:「第5波と第6波は、だいぶ状況が違うので、第5波までのときと同じ数字で緊急事態宣言を出すのは、ちょっとどうかなと疑問に思うところはある」

この病院では、現在55あるコロナ病床に43人の患者が入院しています。
河北総合病院・杉村洋一院長:「今回は軽症の人が急に家で重症化するという可能性は、いま、少ないと思う。だからリスクの高い人だけ入院させると。そういうことによってベッドのひっ迫は、避けられるんじゃないかなと」

都内の別の病院では、この週末も保健所から病院へ入院の受け入れに関する問い合わせが続いていました。この病院では、53あるコロナ病床のうち、入院は34人と半分ほどです。まだ受け入れる余地は残っていますが、感染の疑いがある患者が救急搬送されれば、コロナ病床で受け入れざるを得ない状況です。
順天堂大学練馬病院・野村智久准教授:「保健所や入院調整本部から要請が来る人に関しては、正直なところ、実際に診てみないと、なかなか重症度の判断が難しい。診てみて、結果的に症状が軽かった人もいるので、そういう人が一定数、入院してしまうのは、やむを得ない部分だと思う」

小池知事は30日、緊急事態宣言の検討状況について、こう述べました。
小池知事:「法律的に国が決められる緊急事態宣言であるので、特にオミクロン株に対してどういう対応なのか、しっかりとうかがっていきたい」
“宣言”要請の基準を明らかにするよう国に念押しした格好です。

大阪府の病床使用率は73.6%。重症病床は9.8%で、1ケタに留まっているように見えますが、吉村知事は、コロナ自体は軽症なのに重症病床が埋まってしまうケースがあるといいます。
吉村知事:「オミクロンは軽症だけど、ほかの疾患、あるいは大けがをして、ほかの理由で集中治療室での治療が必要な人、重症病床での治療が必要な人。これがコロナの重症者と同じぐらいの数が出てきている。なので、そこの数を合算した実質の重症病床の使用率、ここが40%に達したときに、緊急事態宣言を要請すべきだと思っている」

一方で、愛知県は“宣言”の効果に期待を寄せます。
大村知事:「私は三大都市圏域が足並みを揃えて、緊急事態宣言ということで、一気に押さえ込んで行くべきでは。週後半に向けては、相当(感染者が)増えていくと思うので、今週半ば以降にも、緊急事態宣言の発動を視野に入れて対応していくべきではないかと」

さまざまな声が飛び交うなか、岸田総理は“宣言”の発出について、現時点では考えていないとの見解を示しました。
岸田総理:「まん延防止等重点措置をスタートしているから、その効果もしっかり見極めたうえで、総合的に判断する。現時点で緊急事態宣言の発出は、政府としては検討はしていない」
立憲民主党・江田議員:「緊急事態宣言は、東京都から申請があった場合も、発令しない場合もありうるのか」
岸田総理:「緊急事態宣言については、自治体の意見もしっかり聞くが、政府としてしっかり判断をしていかなければならない」

小池知事は、31日夜、こう述べました。
小池知事:「(Q.岸田総理が緊急事態宣言について、少なくとも国においては現時点では考えていないと)都としては、かねてから『感染は止める、社会は止めない』と。わかりやすく言うと、命と暮らしを守るということを申し上げている。病床の使用率の中でも重症、中等症をよく見ていく必要があるし、オミクロン株の特徴なども、専門家の声も聞きながら考え方を示していきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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