南極「地球のタイムカプセル」に温暖化ヒント?タロとジロも向かった“伝説の山”へ(2023年2月2日)

南極「地球のタイムカプセル」に温暖化ヒント?タロとジロも向かった“伝説の山”へ(2023年2月2日)

南極「地球のタイムカプセル」に温暖化ヒント?タロとジロも向かった“伝説の山”へ(2023年2月2日)

 南極で今、進められている氷のボーリング調査。約12万年前の「地球のタイムカプセル」に温暖化対策のヒントが眠っているといいます。

 昭和基地を飛び立った取材班。約30キロ離れたラングホブデ氷河に向かいました。そこには岩肌があらわになった場所も。南極には氷も雪もない場所が沿岸部など限られた地域に点在しています。そこで観測隊が行っているのは…。

 第64次隊・菅沼悠介隊員:「地層のボーリングをしてます。台座を組んで」

 地球のタイプカプセルとも言える南極の地層。

 第64次隊・菅沼悠介隊員:「ここは、うまくすれば12万年前の地層がありそう。12万年前って今より1℃くらい気温が高い。その時に南極の氷がどのくらい解けたかっていうのを調べる」

 現在より1℃平均気温が高かったという12万年前。それは、そう遠くない未来の世界の姿なのかもしれないのです。

 第64次隊・菅沼悠介隊員:「過去を調べることで今よりも先の未来が分かる」

 地下を掘る作業。日本と異なり、一筋縄ではいかず…。

 観測隊員:「どこまで掘ったか記録してます」

 ここは未知なる大地。ドリルは回るも、硬い岩盤に阻まれて掘り進めなくなることも…。

 観測隊員:「(目標の)基盤はつかみきれなかった」

 掘削機のそばに並んでいるテント。菅沼隊員を始めとする研究グループは昭和基地を離れた場所で40泊にも及び、野外研究を行っています。地下だけでなく地表にも過去を探る手掛かりが…。

 第64次隊・菅沼悠介隊員:「貝の化石。6000年前、急激に氷が解けた後の貝の化石。その時、海面はこの高さまで来ていた」

 広大な岩肌が続く場所が、かつて少なくとも1メートル以上の海の底…。

 第64次隊・菅沼悠介隊員:「貝を調べればその時の水温も分かるし、南極の氷床がどれくらい解けたかも分かる。それを使って未来を予測する。今後、1、2℃温度が上がっていく世界というのは(予測は)現代の観測では分からないけど過去にはそういう時代があった。今の観測では分からないことが分かる」

 取材班は南極観測において“伝説”として語り継がれる場所にも向かいました。目指すは昭和基地から約170キロの距離にある「ボツンヌーテン」。今から66年前、第1次観測隊が到達。世界で初めて登頂に成功した伝説の岩山です。

 雪上車が故障したため当時、使ったのは「犬ぞり」。隊員3人とともに向かった15頭の樺太犬のなかには、あの「タロ」と「ジロ」の兄弟犬もいました。ヘリコプターを使えば昭和基地から50分ほどですが、当時はたどり着くまでに1カ月。道中には大きな障害が待ち受けていました。

 幅約10キロにもわたる「白瀬氷河」。巨大な氷河を越えた先に、その山はありました。昭和基地から170キロ。66年前、第1次観測隊が世界初の登頂に成功した岩山「ボツンヌーテン」。4つの峰が連なり、一番高いものは標高1486メートル。周囲に何もない氷原のなかにポツンとそびえ立つ巨大な岩山です。観測隊は現在もボツンヌーテンで地質調査や気象観測などを続けています。その観測隊も白夜が終わり、南極の季節が夏から冬へと移り行くなか、節目を迎えていました。

 1日に昭和基地で行われたのは「越冬交代式」。1年間滞在した観測隊が次の隊へと基地の運営を引き継ぎます。

 任務を終えた63次隊員たちは観測船「しらせ」に乗り込み、来月に帰国する予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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