【独自】「縄文の丸木舟」60年以上前の発掘映像で新たな発見(2023年1月29日)

【独自】「縄文の丸木舟」60年以上前の発掘映像で新たな発見(2023年1月29日)

【独自】「縄文の丸木舟」60年以上前の発掘映像で新たな発見(2023年1月29日)

 テレビ朝日に眠っていた60年以上前に撮影された発掘現場の映像を詳しく調べたところ、新たな発見がありました。

 60年以上前に撮影された発掘作業の映像。よほどの発見だったのでしょうか、作業員以外に学者らしき人も確認できます。

 歴史的瞬間を記録した貴重な映像の数々。テレビ朝日では今、それらの映像を掘り起こしてインターネットで公開する作業を行っています。その過程で見つかった「謎の発掘作業」。映像以外に詳しい資料が残っていないため、まずは考古学の専門家に見てもらいました。

 慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室・安藤広道教授:「藤田先生ということになりますね」

 映像に映っていたのは日本考古学会協会の初代委員長である藤田亮策教授。そんな人物まで現場に訪れていた調査は、慶應大学が行った「丸木舟の発掘調査」だと分かりました。当時、この現場にいたという87歳の近森教授に、さらに詳しい話を聞きました。

 慶應義塾大学文学博士・近森正名誉教授:「これ私ですね」

 近森教授によりますと、発掘場所はさいたま市見沼区膝子。そこには60年以上経った今も水田が広がっていました。1959年の発掘作業の映像と比較すると、同じ場所に見えます。では、この発掘作業から何が分かったのか。この場所から見つかった丸木舟の実物が群馬県に保存されていました。

 慶應義塾大学文学部民族学考古学研究室・安藤広道教授:「一緒に出てきた土器から考えて縄文時代の終わりごろですね。3000、数百年前ぐらいのものである可能性が高い」

 なんと3000年以上も前に使用されていた丸木舟だそうです。

 縄文時代後期はさいたま市見沼区膝子の一帯が湿地だったことや交通手段として船を利用し、当時から食料や道具を周囲とやり取りしていたことなどが分かるそうです。さらに「映像が残されていたこと」も重要だといいます。

 慶應義塾大学文学博士・近森正名誉教授:「まぁ当時はね、戦争で日本のあらゆる価値がひっくり返りましたから。日本人とは何か…?丸木舟は『日本人の来歴を知る大きなテーマ』だったことは間違いない」

 当時、取材していた理由は考古学に関心が集まっていた時代背景が考えられます。安藤教授は映像をきっかけに、地元の人でも注目していなかったような「さいたま市見沼区膝子」の価値が「丸木舟の出土集中地点」として見直されるだろうと期待します。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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