【独自】値上げと無縁「ガス激安の町」 東京より4割安い…理由は“千葉県産天然ガス”(2023年1月25日)

【独自】値上げと無縁「ガス激安の町」 東京より4割安い…理由は“千葉県産天然ガス”(2023年1月25日)

【独自】値上げと無縁「ガス激安の町」 東京より4割安い…理由は“千葉県産天然ガス”(2023年1月25日)

 ガス料金の高騰が止まりません。そんななか、値上げとは無縁のガス料金が東京都内より4割も安い、千葉県のある町を取材しました。

■設定温度「低」で 光熱費は「安く」…料金は?

 千葉県の茂原市にやって来ました。この地域は、ガス代金がかなり安いそうです。

 一体なぜなのでしょうか?茂原市内の住宅を訪ねました。

 古賀真理さん:「(Q.暖かいですね)ガスストーブつけてて、足元から暖かい」

 ストーブの後ろを見てみると、つながっているのはコンセントではなく、ガス栓です。設定温度は18℃ですが、寒さを全く感じません。

 古賀さん:「ガスは、すぐに体感で感じられて。朝はガスから始めると、すぐに支度とか色んなことができる」

 暖房はエアコンと併用しているのですが、設定温度を見てみるとこちらも…。

 夫・稔啓さん:「今、20℃です。ガスストーブの温風が下から来るので、部屋全体が低めの設定ですけど、暖かく」

 それぞれの機器の設定温度が低いため、光熱費も安く抑えられているといいます。

 ガスの燃焼時には、水蒸気が発生するため、室内が乾燥しにくく、植物も元気です。気になるのは、ガス料金ですが…。

 古賀さん:「(1月分)8078円ですね」

 一般家庭のおよそ倍の量のガスを使って、この値段。都内と比べると、茂原市はかなり割安です。

 古賀さん:「ずっとこういう形なので、お安いのか、お安くないのか、私には分からないんですけど」「(Q.これ東京だと1万3000円か1万4000円します)えっ!?えっ!?そうなの。そういうことに気が付いたことはなかったので。今、お聞きして何だか、すごくうれしくなってしまいました」

■“千葉県産の天然ガス”4割安く・安定的に提供

 一体なぜ、ここまでガス料金が安く抑えられているのでしょうか?

 訪れたのは、茂原市内に本社を置く都市ガス会社「大多喜ガス」です。茂原市をはじめ、千葉市や市原市など、およそ17万戸にガスを供給しています。

 大多喜ガス・木村和彦さん:「(Q.現在は月いくらで供給している?)月のガス使用量が30立方メートルの場合、およそ4500円」「(Q.安いですね)当社の家庭用のガスにつきましては、“千葉県産の天然ガス”が主体であるといったこともありまして」

 千葉県の直下には、「南関東ガス田」と呼ばれる日本最大級の水溶性天然ガス田が広がっています。

 多くの都市ガス会社は天然ガスを輸入しているため、国際価格の影響を受けますが、「大多喜ガス」は、この千葉県産の天然ガスを主体としているため、都内大手ガス会社より4割ほど安く、安定的に提供できるのです。

■地下1400mに天然ガス田…今後の値上がりは?

 近隣の町にいくと、ガスが湧き出る源を目にすることができました。

 木村さん:「こちらが天然ガスの湧出(ゆうしゅつ)ポイントです」「(Q.全然においしないですね)そうですね。天然ガスは無色無臭ですので、においもしないです」

 天然ガスの存在は、昭和初期にはすでに住民に知られていました。川の泡に火を近付けると、火はたちまち広がり、畑では、その火を使って湯を沸かす様子も記録されています。

 木村さん:「(Q.こういった場所が千葉県内にいくつかある?)そうですね。こういった水がある所だと、実際に天然ガスが出ている所が分かりやすい」

 天然ガスを主に採取しているのは、兄弟会社の「関東天然瓦斯開発」。このガス井戸は、地下1400メートル、東京スカイツリーおよそ2つ分の深さからガスを含んだ水をくみ上げています。

 ガスと水に分離させ、事故防止のためににおいを付けて、都市ガスとして各家庭に送られます。

 木村さん:「(Q.今後ガスの量が減り値上がりすることは?)それは実際にはしないというふうに思っております。2月から国の補助金が制度にのっとって、当社の標準的な使用量のお客様ですと1000円はお値引きになると思います」

 国際的なエネルギー価格高騰の影響をほとんど受けない千葉県産の天然ガス。そのため、国からの補助金を利用者に還元しやすく、より優しい価格で提供できるといいます。

 木村さん:「地産地消という言葉。千葉の皆様にも使って頂きたいという意識を込めて、千産千消」

■自前で「千産千消」 “マイ井戸”ガス利用

 その「千産千消」を、自前でやっているという住民もいました。

 田んぼの中に何か井戸のような物が見えます。一見よくある農業用の井戸かと思いきや、タンクの上には石が置いてあり、周りからは泡が噴き出しています。

 井戸の所有者・加藤志恵さん:「ポコポコ言ってるのが、ガスです。それを集めて、このパイプで(自宅に)持って行ってる」

 茂原市内に住む加藤さんは、自作のガス井戸からパイプを引き、自然発生のガスを利用して生活を送っているといいます。

 加藤さん:「ここで中に入っていきます。地下を通って」「(Q.これが家につながってる?)そうです」

 まさに天然のガスのため、設備費などの初期費用以外はかかりませんが、実際お得なのでしょうか?

 加藤さん:「(お得感)全然ないですね。たまたまウチは昔から(ガス井戸が)あったので使った。田んぼがカラカラになる冬場、一番ガスを使いたい時にガスがなくなることは毎年あって。(設備を)一から全部やり直すんだったら、普通にガス会社さんに契約して、払っているほうが安いかなと思います」

(「グッド!モーニング」2023年1月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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