上司の昇格に部下が「一票」 ユニーク制度に“賛同”も…課題は“お利口さん上司”(2023年1月25日)
「一度会社に入ったら、長く働いて、キャリアアップを目指したい」そう考える学生が多いという調査結果が出るなか、部下が上司の昇格にも“一票”を入れる型破りな評価制度を持つ会社があります。上下関係なく、本音をぶつけ合うスタイルはうまくいくのか、実情を取材しました。
■昇格を“部下や同僚”も参加して決定
今年4月の新社会人を対象にしたアンケートで、「入社した企業で何年働きたいですか」という質問に対して、最も多かったのは「定年まで働きたい」の32.7%でした。
また「管理職になりたいですか」という質問に対しては、半数以上の54.6%が「はい」と答えています。
「長く働いて、会社に貢献し、そこでキャリアアップをしたい」そのような声が上がるなか、昇格を上司だけでなく部下や同僚も参加して決めるユニークな制度を運用する会社があります。
機械工具卸売商社「トラスコ中山」では、課長など役職の昇格候補者は、その人物を知る社員全員から投票される立場になり、賛成が8割に達しないと昇格できないといいます。
そんな制度を導入したきっかけは、社長が人事会議で見た役員の言動に疑問を感じたことでした。
トラスコ中山・中山哲也社長:「(役員が)自分の部下を引き上げようとしている光景を見て。学閥、親分子分というのは、会社にとって一番の障害だと思っていますので。そんなことは上司に聞くんじゃなくて、皆に聞こうと」
■社員も賛同「忖度なく書いています」
投票する社員は、賛否だけでなく匿名でコメントも書くということです。上司の評価を行い、自分の判断で会社の将来に大きな影響力を持つことに社員は責任を感じながらも、制度には賛同しているといいます。
トラスコ中山(入社7年目)・田原渚月さん:「良いところも悪いところも匿名で書けるので、そういったところは非常に良い部分だなと思っていますし。忖度(そんたく)なく、しっかりとコメントを書いています。『もっと積極的に部下とコミュニケーションを取ってほしい』というのは書いたことがあります」
■社長「一番の欠点は“お利口さん上司”」
昇格候補者には部下からのすべてのコメントを伝えることで、意識改革を促す効果があったということですが、一方で課題もあります。
中山社長:「部下にきつく指導しないとか、点数を気にするという“お利口さん”の上司が見受けられることが、一番の欠点かな」
中山社長は、今後も試行錯誤しながら、より良い制度を目指すということです。
(「グッド!モーニング」2023年1月25日放送分より)
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