中国 3年ぶり行動制限ない「春節」 21億人が移動 “経済回復”は…帰省男性に密着(2023年1月20日)
ゼロコロナ政策を転換した中国では、22日から3年ぶりに行動制限がない「春節」を迎える。延べ21億人が移動するとも言われるなか、3年ぶりに帰省する男性に密着した。
■医療現場から…深刻さ“物語る動画”
中国の正月に当たる春節まで、あと2日。国民の大移動が今、ピークを迎えている。
「ゼロコロナ政策」が取られていたおととしの春節。ガラガラだった上海の駅が19日は、利用客であふれ返っていた。
一方、急激にゼロコロナ政策を転換した“しわ寄せ”は医療現場に…。感染爆発の裏で、医療現場は限界を迎えていた。
ゼロコロナ政策の撤廃で感染爆発が起きた中国。医療現場からは、深刻さを物語る動画が次々と投稿されている。
ずっと勤務が続いた看護師が、疲労により病院の廊下で倒れる映像。この看護師は、手術中に倒れてしまった。医療従事者の負担はピークに達しているようだ。
■3年ぶりに上海から帰郷…男性に密着
一方で、今年の「春節」休みは、延べ21億人が移動すると言われている中国。その中の1人に密着した。
現在、上海で働く王さん（31）、独身。今回、3年ぶりに福建省・安渓県の村に帰省する。
王さん：「久しぶりの春節帰省で、ワクワクしています。きのうは、よく眠れなかったです。故郷は産業が少ないから、若者はほとんど故郷を離れている」
高速鉄道で、およそ7時間。福建省の厦門（アモイ）にある親戚の家で、まずは1泊。翌日にバスを乗り継いで、ようやく両親ら家族と再会できるという。
福建省・厦門に到着した王さん。久しぶりに再会を果たしたのは、高校の同級生だ。
王さん：「新年おめでとう」
3年ぶりに戻ってきた“春節の大移動”。中国メディアは、多くの地域ですでに感染のピークを越えたとし、“春節”の帰省により、感染が広がるリスクは低いとの見通しを示している。
■中国政府は…“経済の回復”をアピール
減速する中国経済だが、春節を機に上向くことになるのだろうか？
中国当局によると、今年の春節期間では、およそ21億人が移動するとみられている。
その目的を見てみると、半数を超える55％が家族に会うなど帰省する人で、10％にあたる、およそ2億人は旅行などを目的にしているという。
中国メディアによると、18日時点までで、全国の鉄道や民間航空などが輸送した乗客は4億8000万人に上っていて、去年の同じ時期より、およそ50％増加しているという。
AFP通信によると、コロナ禍前の2019年の春節期間中の観光収入は、約8兆円だったというが、ダボス会議に出席した中国の劉鶴副首相は、「今年の経済成長はコロナ以前の通常の状態に戻る可能性が極めて高い」と自信をのぞかせていた。
中国政府は今年、内需拡大に重点を置いているとして、経済の回復をアピールしている。
■春節期間中…コロナで1日3.6万人死亡の可能性
一方で、観光地の受け入れ能力に課題もあるようだ。
国内の宿泊施設は、去年1月時点で36万軒以上あったが、2年前と比べると8万6000軒減っているという。さらに、中国各地にある観光地の飲食店でも、売り上げが減少したり、閉店する事態になっているそうだ。
さらに、春節期間中に、新型コロナで多くの人が亡くなるという分析結果も出ている。イギリスの調査会社によると、一日当たり3万6000人が死亡する可能性があると、公表した。
また、去年12月以降のコロナ死者数が累計で60万8000人に増加すると推計している。
中国当局は、コロナ対策の緩和後の先月8日から12日までに死亡した人は、およそ6万人と発表している。
（「大下容子ワイド！スクランブル」2022年1月20日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
