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【飲料トップに聞いてみた】サントリーHD・新浪剛史社長(2023年1月6日)
■今年も値上げしたい…その分「おもろい商品をもっともっと出す」
(Q.サントリーの今年の商品値上げをどう考えている?)
商品の値上げはさせて頂きたいところなんです。でも商品そのものがイノベイティブだとかクリエイティブだとか、そういうことでお客さんに喜んでいただけないとなかなかいまだ厳しい状況にあるなというふうに思います。まず全国的に賃上げがどんどん起これば値上げも受け入れて頂きやすくなるんですが、そう簡単な状況では今はないかなと思います。ですからおもしろい商品…おもろい商品をもっともっと出すことによってお客様に値上げをご理解頂けるように、そういうい企業努力をしなければいけないなと考えています。
(Q.面白い商品として今社長の頭の中で構築されているものは?)
例えば去年ビアボールって出したんです。ビールをハイボールのようにして飲むと。ああいう新しい発想の商品を出していくことが我々に求められていることで、その結果として「この値段だったらいいよね」とこういうふうに思って頂くような努力をしなければいけないんだと。メーカーですからいい商品を出す、クリエイティブな商品を出す、イノベイティブな商品を出す、これをきちっとやっていくことだと思います。
(Q.今年もビアボールのようなあっと驚く商品を期待していい?)
はい、期待して下さい。1月12日に発表いたします。
(Q.ちょっとだけ教えて頂けますか?)
それはノーコメントです。
(Q.従来商品は値上げ?)
それも一部させて頂きたいなと思っています。まだ検討中であります。やはりスーパーはじめ皆さんとコミュニケーションしてそれを決めていかなければなと。それイコールお客様の反応がどうなのかなと、もう一回ちゃんと見ながらやっていかなければいけないなと。そういう意味で相変わらず企業物価は高いんで頭は痛いですね。
■賃上げ6%「社員の頑張りに対する投資」
(Q.値上げと賃上げのバランスはどう取っていく?)
商品の値上げと賃上げについては実はバランス取ってなくてですね、やっぱり社員に対して賃金を上げるということは投資でありますので、今少なくとも消費者物価が3.8、4に近いところにきていると。実態としては5%以上上がっているような感覚はあると思うんですね。そんななかで社員のまずは生活を安定させるためにも賃上げをすることによって…先ほど申し上げた、イノベイティブな商品を作るというのは社員なんですよね。ですから社員のやる気が無くてはいい商品ができないんです。そういった意味で社員の皆さんにきちんとまずはベースアップをして、そのうえで頑張りを賃上げとしてプラスしていくと。その結果として、ぜひともおもろい、いい商品を作っていってねと。その結果として2024年も賃上げができる正のサイクル、2024年にはぜひとも生産性がその結果として返ってくると、継続的に賃上げができるようなそういう体制になっていきたいなと思います。
(Q.賃上げ6%と明言されていたが商品も上がるのかなと、そのあたりの葛藤は?)
値上げと賃上げは違うものだと思っていまして、賃上げはあくまでも社員の頑張りの期待に対する投資なんですね。その結果として値上げができるぐらいいい商品が出てくればいいんです。ですからこれは後から結果が出てくるもので、そういうことでぜひとも社員に頑張ってもらいたいと思っています。
(Q.賃上げの財源は?)
それは私たちの今の収益から出していくことになります。
■自ら追い込みいい商品へ…「2023年は試される年」
(Q.物価高騰の見通し立たないが、この先は?)
上期は引き続き物価は上がっていきますし、下手すると下期は燃料代がすごくまた上がってくる可能性があると思います。ですからこういう時こそ、座ってただじっとしているんじゃなくて、社員がより一層…、お客様が行動変容が出てくると思うんですね。今までは戦争なんか起こらないと思ってたんです。今までは物価なんか上がらないんだと。もう風景変わったんですよね。この風景が変わったなかで我々が企業として勝ち抜いていくためには、社員の活力を注視しながらやっていきたいと考えています。
(Q.逆風に対抗していく具体策は?)
失敗を重ねることです。やっぱり失敗を許容しないといい商品出てきませんから。サントリーも色んな先輩を見ていると、言わないですけどいっぱい失敗をしているんです。だから失敗の許容力だと、その失敗をすることで人が育ってるんですよね。だからそういうことで、おもろい商品の裏には失敗ありで、色んなちっちゃな失敗、大きなものもありましたし、それを積み重ねて挑戦していく、これがサントリーの文化なんです。この文化をもう一度、もっと大きく花開かせようというのが、大きく変動して変わった時代なんです。前の時代と違うので、そういう意味で新しくものごとを考えないといけないんですね。そういう時代であるからこそ、投資を人にするということです。
(Q.企業として今年一番力をそそぐのは社員への投資?)
そういうことです。ですけど今までずっとやってきたんです。だけどここにきてベースアップみたいなことは初めて申し上げています。これは、ベースアップというのはインフレが起こってその分をカバーするためのベースアップであります。そこは生活水準をきちんと維持する、生活のレベルを維持することにつながるわけです。
(Q.他社が足踏みするなかなぜ踏み切れた?)
これは、多分に…いい社員がというか、やる気を持ってやってもらわないと本当に大変な時代だからです。多分ほかの企業も同じように皆さん社員に対しての投資をし始めると思います。ですから、私たちは食品産業のナンバー1メーカーとして、先鞭を付けていく必要もあると。そしておもろい商品で競争しようよと。価格値下げをして競争するんじゃなくて、正のサイクルを回していこうと。イノベーションで競争と。本来あるべき姿の方へ持っていくには、やっぱり我々ナンバー1企業として賃金を上げて全体がかさ上げされればイノベーション競争ですよね。これがあるべき競争なんです。
(Q.「おもろい商品」は価格は高くても買ってもらえる自信がある?)
去年の成功もそうですけど、昔に戻ればハイボールもそういうことですよね。ハイボール缶も大変お客様にご好評いただきましたし、ウイスキーそのものもそうですよね。そしてソフトドリンクも伊右衛門はじめ、また機能性飲料もそうですし、やはりいままでそういう挑戦をしてきましたので結果としてはそこに至るまで結構失敗なんですが、結果としては丸だったわけで。そういった意味でイノベーションをし続ける会社として2023年は試されるんだと思います、我々がですね。
(Q.試される年というのは?)
そういう商品が出せないと、我々自信は(社員に)投資はしますから大変厳しくなりますよね。ですから我々自身が社員に投資することで自ら追い込んでいくんです。その結果としていい商品を出していこうじゃないかと、こういうことですね。プレミアムモルツもそういうことでビールのなかで苦しんだ結果として出たんです。ですから苦しいなかで生き抜く、これは我々自身が自らそこへ追い込むことによっていい商品ができる、こういうことをやっています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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