戦況占う“バフムトの戦い”最前線の兵士語る 奪還ヘルソンにはクリスマスイブの砲撃(2022年12月25日)

戦況占う“バフムトの戦い”最前線の兵士語る 奪還ヘルソンにはクリスマスイブの砲撃(2022年12月25日)

戦況占う“バフムトの戦い”最前線の兵士語る 奪還ヘルソンにはクリスマスイブの砲撃(2022年12月25日)

クリスマスも砲撃が続くウクライナです。
過酷な塹壕戦がいま最も激しく行われているのが東部の要衝・バフムト。
番組は、最前線で戦う複数のウクライナ兵を取材。
今後の戦況を左右する冬の戦いを追いました

▽戦況占う“バフムトの戦い”最前線兵士語る「塹壕戦」
(バフムトで戦う兵士 キヤンさん)「今日は12月23日、ここはバフムト。ここでは攻撃が絶えない。いつもこんな感じだ。」
SNSで最前線の様子を発信している、ウクライナ軍の兵士、キヤンさん。戦闘任務に就くのは、ウクライナ東部の激戦地・バフムトです。
(キヤンさん)「ウクライナにとって戦略的にとられるわけにはいかない街です。バフムトが占領されるとスロビャンスクやクラマトルシクといった重要な都市にも敵が到達する可能性がある」
ウクライナ軍がヘルソンを奪還するなど、南部で反転攻勢する中、ロシア軍は東部の戦略的な要衝バフムトの制圧を目指し部隊を増強。数カ月に渡って、激しい攻防が続いています。キヤンさんらはこの地下室を拠点に戦い続けています。
(キヤンさん)「バフムトには大勢のロシア軍が集結し過酷な状況です。キーウ、ハルキウ、へルソンにいたロシア軍も移動してきた。攻撃が絶えずどこも危険です安全な時間はありません。」
戦争の行方を左右する、最前線バフムトには、20日、ゼレンスキー大統領が電撃訪問。兵士らを激励しました。
(キヤンさん)「私たちはアメリカのグレネードランチャーで戦闘中だったので大統領には会えなかった。勝利は我々のものです」
一方のロシア軍はバフムト攻撃に、民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員らを投入。ワグネルは、多数の受刑者を雇い損害を顧みない戦いに打って出ていると言います。
(バフムトで戦う兵士 キャップさん)「民間軍事会社ワグネルが兵士を砲弾の餌として使っています。地雷やウクライナ軍の位置を特定するためです。戦術を見たらわかります。受刑者はウクライナ国内で戦死するために連れてこられているのです。」

「この病院には負傷した兵士がいます。」
前線で負傷したウクライナ兵を治療している病院です。29歳のイワンさんも、バフムトでロシア軍の攻撃を受け、肩にけがをしました。
(バフムトで負傷した兵士 イワンさん(29))「塹壕の中にいて砲弾の破片で負傷した。その時は特に戦闘が激しく(負傷後も)外に出られなかった。」
塹壕の中で負傷したものの、夜になって暗くなるまで、退避できなかったと言います。
(イワンさん)「ロシア軍は新たな動員兵を含む膨大な兵力を集結させている。かなり厳しい状況です。」
全治3週間のキズを負ったイワンさん。クリスマスは、病院で過ごすことになりました。
(イワンさん)「年末年始は家族と過ごすものですが今は私にとって部隊が家族です。リハビリを終えたら戦地に戻って勝つまで戦います。」

▽クリスマスイブに砲撃16人死亡 緊迫の奪還都市
ウクライナが先月奪還した南部の都市ヘルソンでは、24日、ロシア軍による砲撃で、16人が死亡、64人が負傷、中心部のデパートや市場の周辺が被害を受けました。クリスマス・イブを狙った攻撃にゼレンスキー大統領は、「これはテロであり、威嚇と快楽のための殺人だ。」と強く非難。ヘルソン奪還から1カ月半、街への攻撃は止むことがないといいます。
(ヘルソン在住 ヴィクトリアさん(60))「外では今も砲撃の音が聞こえます。夜も昼も撃っています。(ロシアは)奪還された怒りでなるべく多くの人を殺し、寒さと暗闇で私たちを苦しめたいのです。電気はいつ消えるか分からない。この瞬間かもしれません」
それでも、ロシアの占領下を経験したヴィクトリアさんは…
「ロシア軍さえいなければ停電や断水にも耐えられます。ただ生き延びたいだけ平和が欲しい」

12月25日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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