ゼレンスキー氏 異例の電撃訪米 “極秘作戦”の舞台裏(2022年12月22日)

ゼレンスキー氏 異例の電撃訪米 “極秘作戦”の舞台裏(2022年12月22日)

ゼレンスキー氏 異例の電撃訪米 “極秘作戦”の舞台裏(2022年12月22日)

 アメリカ議会での演説で拍手喝采を浴びたゼレンスキー大統領。異例の電撃訪問が実現した裏には、トップシークレットの作戦がありました。

 議場はいつにも増してにぎわいをみせていました。与党・民主党のシューマー上院院内総務が笑顔を見せれば、野党・共和党のマコネル上院院内総務も笑顔です。青と黄色でコーディネートをした議員もいれば、やはり青と黄色のネクタイをしめた議員もいます。そう、ウクライナの国旗の色です。

 万雷の拍手で、アメリカ議会の議場に迎え入れられたのはウクライナのゼレンスキー大統領。演台に着いてからも、拍手が鳴りやまず、長く話し出すことができませんでした。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ありがとう。私にはもったいない。アメリカの議会に来て、皆様やアメリカの人たちに話ができるのは非常な名誉です。事前の予想や悲観的な見方に反して、ウクライナは滅びなかった。ウクライナは生きていて、抵抗している」

 アメリカ議会での演説に臨んだゼレンスキー大統領。3年前の訪米時は、もちろんスーツでしたが、今回は戦争が始まってから着用している軍服調の服で通しました。

 この戦時中の訪米。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「勇敢な米兵が戦線を維持し、ヒトラーの軍隊を撃退した1944年のクリスマスのように、勇敢なウクライナ兵は同じことをプーチンの軍隊にする、このクリスマスに。ウクライナは戦線を守り抜き、決して降伏しない」

 さらなる支援も求めました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「大砲は持っている、確かに。感謝をしている。では十分か、正直足りない」

 議会での演説に先立ち、ゼレンスキー大統領はバイデン大統領と会談をしました。

 アメリカ、バイデン大統領:「ウクライナの防衛能力、特に防空能力の強化に引き続き務め、その一環としてパトリオット・ミサイル・システムを提供する」

 迎撃ミサイル「パトリオット」が提供されるのは今回が初めて。アメリカ政府は、これまで提供してきたものでは対応できない、高い高度を飛ぶ航空機やミサイルを撃ち落とせるとしています。

 アメリカの動きへの牽制(けんせい)か、ロシアのプーチン大統領は、複数の核弾頭を搭載できる新型のICBM=大陸間弾道ミサイルを実戦配備する考えを明らかにしました。

 ロシア、プーチン大統領:「まもなくICBM『サルマット』が、初めて戦闘配備に投入される」

 ロシアの攻撃にさらされるなか、ゼレンスキー大統領はどのようにしてアメリカにたどり着いたのでしょうか。

 ポーランドのテレビ局が捉えたゼレンスキー大統領の姿。アメリカメディアなどによると、21日水曜日の早朝、隣国ポーランドまでは列車で移動。さらに、米軍機がポーランドからワシントン郊外のアンドリュース空軍基地まで運びました。その際、F15戦闘機が護衛についたといいます。

 高いリスクを冒すアメリカ訪問の狙いはどこにあるのでしょうか。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「アメリカの関心と国際的な関心を改めてブーストするような意図、そういったものがゼレンスキー大統領の訪米の背景にあると考えられる。アメリカ政府自体はウクライナ支援について固い意志を持っているが、議員や有権者、アメリカ国民にはふらつきがある。アメリカは世界の正義を支える国なんだということを強調することで、アメリカ自身のプライドを刺激することが、一つのポイントだったと思う」

 ゼレンスキー大統領は、アメリカへと発つ前日、東部の激戦地を訪問し、兵士を激励しました。そこであるものを手渡されていました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「この旗は勝利のシンボルだ。我々は持ちこたえ、戦い、そして勝利する。私たちが団結しているからだ。ウクライナ、アメリカ、そしてすべての自由な世界が。メリークリスマス、そしてよい勝利の新年を。ウクライナに栄光あれ」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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