政府 新たな原発政策の方針を正式決定 スピード決定に苦言も|TBS NEWS DIG

政府 新たな原発政策の方針を正式決定 スピード決定に苦言も|TBS NEWS DIG

政府 新たな原発政策の方針を正式決定 スピード決定に苦言も|TBS NEWS DIG

政府は▼次世代型原発への建て替えや▼運転期間の延長などを盛り込んだ新たな原発政策の方針を正式に決めました。これまでの方針の大転換ですが、検討期間はわずか4か月で疑問の声もあがっています。

都内の遊園地。クリスマスを目前に、イルミネーションがきらめく時期ですが…

記者
「こちらの遊園地では、今月から週末などを除いてイルミネーションは消灯しています」

荒川区荒川遊園課 野口正紀課長
「冬の節電要請を受けた形で現状の形になっています」

政府はこの冬、7年ぶりに全国に節電を要請しています。電力不足の解消に向けて政府はきょう、大きな決定をしました。

岸田総理
「GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針をとりまとめていただきました」

政府は廃炉が決まった原発の次世代型への建て替えに取り組むことや▼最大60年としてきた運転期間の延長を実質的に認めることなどを盛り込んだ新たな原発政策の方針を正式に決めました。

福島第一原発の事故以降、「新増設や建て替えは想定しない」としてきた方針からの大転換です。しかも、総理が検討を指示してからきょうまでわずか4か月というスピード決定でした。

岸田総理
「現在、直面するエネルギー危機に対応した政策を加速していくためには、国民や地域の信頼を積み上げていく地道な取り組みも不可欠」

なぜ、これほど決定を急いだのでしょうか。

政府関係者によると、岸田総理は就任当初、原発政策の見直しへの関心は高くありませんでしたが、「ロシアのウクライナ侵攻がひとつのきっかけになった」と明かしました。

政府関係者
「今のエネルギー問題は安全保障問題と直結している。ロシアの天然ガスが止められ、台湾有事が起きたら日本は大変なことになる」

また、別の関係者は政府が電力の安定供給に加え、脱炭素化の目標を掲げる中、「原発なしはもうあり得ない」とも話します。

ただ、原発政策の見直しを議論してきた経済産業省の「原子力小委員会」の委員の松久保さんは議論の進め方に苦言を呈しています。

経産省原子力小委員会 松久保肇委員
「この委員会21人委員がいるんですけれども、脱原発を訴える委員は2人しかいない。非常にバランスの悪い委員会だと思います」

推進派の委員が多数を占める中で原発の建て替えや運転期間の延長に向かって議論が進んでいったと言います。

経産省原子力小委員会 松久保肇委員
「これだけ世論を二分しているような問題なので、やっぱり国民に納得感を得てもらうためにも慎重にもっと公平な立場の委員を含めて1年ぐらいはかけて議論するべきだった」

スピード決定には、原発推進派の委員からも疑問の声が漏れてきます。

 原発推進派委員
「煮詰まってきたかと言われるとなんとも言えない」

政府は今後、国民から意見を募るパブリックコメントを実施しますが、岸田総理の「聞く力」は原発政策には発揮されないのでしょうか。

▼TBS NEWS DIG 公式サイト https://ift.tt/T9PZ71q

▼チャンネル登録をお願いします!
http://www.youtube.com/channel/UC6AG81pAkf6Lbi_1VC5NmPA?sub_confirmation=1

▼情報提供はこちらから「TBSインサイダーズ」
https://ift.tt/Y5bkMyx

▼映像提供はこちらから「TBSスクープ投稿」
https://ift.tt/NZQdDxi

TBS NEWSカテゴリの最新記事