積雪急増で「空き家」が危ない いきなり崩壊“雪の塊”も(2022年12月19日)
各地で大雪となるなか、深刻な事態を引き起こす「空き家」問題。対応が遅れると、落雪事故や家屋を倒壊させる危険性も指摘されています。
最低気温マイナス2.9℃の山形市。19日朝、横断歩道が凍結していました。冬場は、ただでさえ危険が伴う市街地の路上。小学生たちが毎日通る通学路には、さらなる危険が。
住宅の反対側を歩く子どもたち。実は、雪が積もる家を避けて通っています。2階建て、長い間、空き家で放置されたままだといいます。最深積雪は17センチと、今季最大に。地元町内会では、落雪による事故を心配しています。
山形市やよい町内会・菅野直人副会長:「これ2軒とも空き家」「(Q.この手前と奥まで?)そうです」
町内には、こうした空き家が数多く点在しているといいます。
山形市やよい町内会・菅野直人副会長:「こちらは7、8年前かな。病気で亡くなった後、このまま空き家になっている。子どもたちには登下校の際に注意するように言っている」
山形市やよい町内会・林進防犯部長:「氷になってしまえば相当な衝撃があるから、けがするのではないかと」
山形市やよい町内会・菅野直人副会長:「倒壊する恐れも。心配」
住宅が密集する市街地で、空き家が雪の重みに耐えきれず倒壊する事故が相次いでいます。雪国で空き家が倒壊する瞬間を捉えた映像では、不気味な音をたて、雪が積もった建物が跡形もなく、崩れ落ちます。
山形市の住宅地では長年、放置された空き家で落雪事故が起きないかと住民たちが頭を抱えています。この空き家は、落雪防止の雪止めが壊れています。
空き家の近隣住民:「自宅の通り道だからたまにズドーンと(雪が)落ちてくることがある。後ろから、あれって、びっくりしたら後ろから」「当たると危ない」「数秒遅れていたら俺の頭の上に。氷の塊も一緒に落ちてくるから危ない」
実際、雪や氷の塊が直撃したら…。2階の高さから、30キロの雪を落とす実験。木箱が、真っ二つに割れました。落雪の危険は、大きく2種類あると専門家は警鐘を鳴らします。
防災科学技術研究所、雪氷防災研究センター・中村一樹センター長:「1つは屋根から雪が落ちることによって、たまたまそこにいた人や車、他の建物にダメージを与える被害。だんだん雪が硬くなっていくと降ってきた4倍から5倍くらい」
仮に、1メートル四方の雪の塊が落ちてきた場合、その衝撃は想像を絶する大きさに。
防災科学技術研究所、雪氷防災研究センター・中村一樹センター長:「軽自動車に近いような、それに匹敵する重さの雪が落ちてくることになる」
さらに、2つ目の危険も。雪化粧した合掌造りの家屋が建ち並ぶ、岐阜県の白川郷。積雪が2メートルを超えた、今年1月の映像です。ガタガタと大きな音が鳴り響いています。屋根に積もった雪が、少し落ちると…バランスが崩れたことで、屋根の上の雪が少しずつ滑っています。そして、最初の落雪からわずか30秒後。左半分の雪が雪崩のように一気に落下しました。
防災科学技術研究所、雪氷防災研究センター・中村一樹センター長:「ある程度高さがあるので雪が軟らかいといっても埋まってしまって窒息。ダメージを受けてしまう」
空き家の落雪を懸念する地域では…。
山形市やよい町内会・林進防犯部長:「町内会が手を出していいものかどうか。他人の建物なので持ち主が分からない場合には市に相談しながら市にやってもらう」
山形市では近隣住民から相談があった場合、空き家の所有者に注意喚起を行っていますが、なかなか進展しないのが実情です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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