トランスジェンダー当事者・サリー楓さんと考える 広がる学校でのジェンダーフリー 多様性を浸透させるために「大切」なこと【news23】|TBS NEWS DIG
「多様性」について、トランスジェンダー当事者のサリー楓さんと一緒に考えます。今、男女問わず、制服はスカートもスラックスも選べる学校が増えてきています。少しずつ広がる「多様な性」を受け入れる取り組み。その現場を取材しました。
■「LGBTの子がいた時のために…」児童からの提案がカタチに
全国の学校で「自分らしく」いるための取り組みが進んでいます。
宮城県白石市の小学校では、男女で別の色を着用していた運動着を「紺色」に統一しました。LGBTについて学んだ、小学6年生の児童からの提案がきっかけだったそうです。
小学6年生の児童
「これから入ってくる子達の中に、LGBTとかの子がいた時のために、今変えておいた方が良いのかなと思った」
“制服も自分らしく選ぶ”、こうした取り組みも、全国の公立学校でどんどん広がっています。
神奈川県南足柄市では、来年度からスカートかスラックス、ネクタイかリボンかを選べるようになります。
母親
「中学生って感じ?」
子ども
「うん」
小学6年生の母親
「いいですよね、選べて。そんなにオープンにせずに、みんなズボンも選ぶ時代になってきたので」
店員
「女の子はズボンの方が多い」
小学6年生の母親
「そうですよね。あとリボンもネクタイも両方買うって人いますよね」
店員
「います、います、います」
南足柄市の公立中学校では、50年も前から男子生徒は学ラン、女子生徒はセーラー服と決められていました。
しかし、「ジェンダーフリー」の考え方に加え、「天候に合わせて脱いだり、着たりしやすい制服を」という子どもや保護者の声を受け、来年度から制服を一新することにしたのです。
南足柄市教育学部室伏秀元部長
「それぞれのファッションを認め合えるような学校にしていこうね。そういう社会を作っていこうねと。これからの社会を生きていく子ども達にとっては、多様性を認め合える社会の担い手になってほしい」
■トランスジェンダー当事者サリー楓さんと考える「多様性」
小川彩佳キャスター:
サリー楓さんは、慶應義塾大学の大学院時代にカミングアウトされたそうですが、学生時代のことはどんなふうに思い出されますか?
サリー楓さん:
学生時代にカミングアウトするとき大変だったというのと、学校って人生の長い時間を過ごす場所じゃないですか、一番カミングアウトしたい場所なんですよ。一番カミングアウトしたい場所でカミングアウトをすると、すごくリスクがあるんです。失敗したときに、自分が通える学校や居場所がなくなるっていうことが、当事者にとっては非常に深刻な問題なので、最も知ってほしい場所で最も知らせることができない、という苦悩は私にもありました。
小川キャスター:
葛藤を抱える場面でもあるという中で、カミングアウトができたのは、どういったことがあったからですか?
サリー楓さん:
大学院の環境は、キャンパスが3分の2ぐらい外国の方がいて、英語で授業やってるような環境だったんですけど、非常に元から多様な環境がありました。最も大きかったのは、自分のゼミの先輩が1年前にカミングアウトをしていて、すでに周りに知識があった。すでに周りに知識があると、やっぱり自分の話を受け入れてもらえるのも早いし、そういった土壌があったことが大きかったと思います。
国山ハセンキャスター:
教育現場におけるLGBTQの生徒に対する配慮、選択肢というのは増えているんです。大手学生服メーカーの調査では、全国の公立の中学校の40%近くが、制服デザインの変更のほか、本人が望む性別の制服や体操着の着用を認めていて、またトイレや更衣室の配慮を行っているという学校も25%ほどあるということです。
楓さんは、教育現場での広がりや、選択肢をどうご覧になりますか?
サリー楓さん:
これまで男性は学ランを着ないといけなくて、女性はセーラー服を着ないといけない、というように選択肢が一つしかなかった。ここに選択肢が生まれたということは素晴らしいことだと思います。
私が少し懸念してるのは、服装の選択肢ができましたが、男の子がセーラー服を選択したり、女の子がズボン選択したときに、冷やかされたりとか「LGBTなんじゃないか」というふうに噂されてしまうということを懸念しています。選択肢を作るということはもちろん大切なんですけれど、ちゃんと選択できるように環境を変えていく、そういうナレッジ(知識)の部分を作るっていうことが非常に大事かなと思っています。
小川キャスター:
ナレッジの部分を作る、それは例えば、どういうことですか?
サリー楓さん:
例えば、女性の生徒がズボンを選択したときに、それを冷やかさないようにLGBTに関する正しい知識を持ってもらうとか、フラットに議論できたり、セクシャルマイノリティの方に対する意見が言えるような勉強会が学内にあるとか、色々な正しい知識に触れられる機会が多いということが大事だと思ってます。
小川キャスター:
だんだん多様性ということが言われ始めて、それが浸透してきているとは思うんですが、これからもっともっと浸…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221214-6057237)
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