「節電要請」に「値上げの波」 生活圧迫の中で“物価上昇は来年まで”の声も【解説】|TBS NEWS DIG

「節電要請」に「値上げの波」 生活圧迫の中で“物価上昇は来年まで”の声も【解説】|TBS NEWS DIG

「節電要請」に「値上げの波」 生活圧迫の中で“物価上昇は来年まで”の声も【解説】|TBS NEWS DIG

きょうから12月、「節電要請」がはじまるとともに、砂糖や粉ミルクなど食品の値上げが相次ぎます。家庭にとっては苦しい話が続きますが、専門家は、来年には「物価上昇率はマイナスになっている可能性もある」と指摘。その理由を解説します。

■7年ぶりの冬の“節電要請” お得な「節電プログラム」も 家庭では3%以上の節電で月1000円分のポイント

ホラン千秋キャスター:
12月1日、政府の節電要請が始まっています。

井上貴博キャスター:
政治家の仕事はお願いをすることではなくて、安定供給に向けてどのような体制を組むのか、そして電力をどう確保できるのかを考えるのがお仕事だと思いますが、企業、個人それぞれできることを進めています。

例えば企業で言いますと、小田急電鉄です。節電要請を受け、1日から2023年3月31日まで、日中に車内の消灯などを行います。もちろん時と場合に応じてにはなります。他にも、空調の設定温度を1度下げる、駅のエスカレーターの一部停止、券売機の一部停止などしています。担当者は「混雑状況などに応じて、安全上問題ない場合、節電に取り組んでいく」と話しています。

そして個人に対しては、ポイント制度も進められています。

節電要請は1日から2023年3月31日までで、数値目標は特に設けていません。無理のない範囲での節電です。冬の節電要請は7年ぶりです。

節電プログラムとしては、12月31日までに登録・参加しますと、家庭では2000円分、企業は20万円分。3%以上の節電に成功した場合は家庭では、月1000円分、企業は月2万円分のポイントが付与されると既に始まっています。

11月30日、西村経産大臣は「電力需給は厳しい見通し。重ね着をして少し(設定)温度を低めにする。使っていない部屋の消灯をするなど、取り組みをお願いしたい」と話しています。

予備率、電力供給の余力は、最低でも3%ぐらいは見ておいた方がいいと言われています。各地の1月の予備率を見ると、北海道は7.9%、沖縄は33.1%と余裕はありそうです。中部・北陸・関西や中国・四国・九州はともに5.6%と少し3%が見えてきています。東北・東京は4.1%とかろうじてですので、なかなか厳しそうだということです。

そして、なぜこのような状況になってしまったのか。

東日本大震災以降、電力需要が減少しているが、近年は増加傾向にあること、そして、コロナ禍により生活様式が変わった要因も考えられるのではないかと言われています。

あとは、やはりウクライナ情勢です。ロシア産以外のエネルギーの調達競争が世界中で激化し、LNG(液化天然ガス)などの価格も高騰していることから燃料が安定的に確保できない、もちろん不測の事態で読めない部分もある中で、電力不足が続いています。

ホランキャスター:
森永さん、様々な要因がありますが、長期的に私たちは電力不足について取り組まなければならないようですね。

獨協大学経済学部 森永卓郎教授:
特に冬場に電力が足りなくなっているのは、太陽光発電がかなり普及したことも関係している。太陽光発電は、冬場はそもそも発電量が落ちる上に、日が落ちると全く発電しなくなってしまうのです。だから、みんながお家に帰って夕方になると電気つけて、夜もずっとつけているので、需給のアンバランスが生じていることも大きいと思います。

■12月には175品目が「値上げ」 砂糖、粉ミルク、調味料(ドレッシング)、ゼリー類など

井上キャスター:
毎月の電気料金が上がり、その他にも値上げの波がこれから本格的にやってくるともいわれています。

12月の再値上げの一部です。2022年6月に値上げした「カレーハウスCoCo壱番屋」「天丼のてんや」は再値上げをします。カレーは1日から基本価格平均で44円値上げです(ポークカレー:547円→591円)。そして、天丼てんやさんは12月22日から34品を3~20%値上げを行います(天丼:530円→560円)。

加えまして、12月値上げが175品目です。砂糖、調味料(ドレッシング)、ゼリー類、粉ミルクなどです。2023年春には4425品目が値上げ予定ということで、2022年、1年間ずっと値上げはニュースになっていますが、本格的に円安の影響を受けた値上げはこれから後にやってくるといわれています。

企業としても厳しい中で従業員に還元できることはないのか、インフレ手当なるものが少しずつ広がっているようです。

例えば三菱自動車は、12月に“インフレ手当”(一時金)を支給しました。正社員(約1万2000人)は10万円、期間従業員など(約2000人)は7万円の手当です。

ケンミン食品(神戸市)は、7月に最大で5万円支給、12月は本人+家族に対して各1万円支給(最大6万円)という措置です。

担当者は「会社も厳しい状況ですが、社員、家族を守るため、社長が再支給を決断しました」と話しています。

全体で見るとどうでしょうか。

帝国データバンクが1248社に行ったインフレ手当の支給についてのアンケート結果です。「支給」「支給予定…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221201-6055174)

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