「ようやくここまできた」日本の宇宙ベンチャー企業「ispace」月面着陸船が打ち上げへ 「HAKUTO-R」プログラム |TBS NEWS DIG
民間初の月面探査計画、「HAKUTO-R」プログラム。その第一弾として、日本の民間企業が開発した無人の月面着陸船があす、いよいよ打ち上げられます。
アメリカ・フロリダ州。25時間後に迫った日本時間のあす午後5時39分。「月面着陸船」を載せたロケットが打ち上げられます。
民間初の月面探査計画、「HAKUTO-R」プログラム。挑戦するのは、日本の宇宙ベンチャー企業「ispace」です。
ispace 袴田武史CEO
「ようやくここまで来たなと。着陸船はすでに準備が完了していて、スペースXのロケットも特に問題はない。30日の打ち上げを妨げるものはないと思っている」
ispace代表の袴田武史さん(43)。月への挑戦は、12年前に始まりました。
当時はまだ、サラリーマンたちの集まる小さなチーム。アメリカ・グーグル社がスポンサーとなって開催された、月面レースへの参加が目的でした。
袴田武史さん(2014年取材)
「10年後には、月に定期便が出来ていると思います。我々は、人間が宇宙で活動するための基礎を築いていきたい」
しかし、目標だったレースはインドの月面着陸船が完成せず中止に。それならと、袴田さんは自らの手で着陸船の開発に乗り出しました。
NASAで宇宙ミッションに携わったエンジニアらがチームに加わり、5年間の開発期間を経て、独自の月面着陸船が完成しました。
民間として初となる月面の探査。その挑戦の拠点が…。
スペースフライト オペレーションズ エンジニア サミュエルネイサン氏
「こちらがispaceのHAKUTO-Rのミッションコントロールセンターです」
東京・日本橋に置かれた管制室です。
着陸船は、ロケットから分離された後、5か月かけて月に向かう予定です。着陸船には、JAXAが開発した月面探査ロボットなどが載っていて、月からデータを正確に送れるかなどを検証します。
ispace 袴田武史CEO
「我々としては、将来的には国だけのミッションによらない、民間でのしっかりとした(月での)経済圏事業環境を作っていく」
「HAKUTO-R」プログラムが描くのは、2040年までに「月に生活圏をつくる」ことです。
ここでも、日本企業の技術が期待されています。
日本特殊陶業 研究開発本部 獅子原大介さん
「安全で高い温度でも使用できる、過酷な環境で使える電池です」
日本特殊陶業は、耐熱性に優れたセラミックの特性を生かし、温度変化の激しい宇宙でも安定した性能を持つ「固体電池」を開発しました。
今回の打ち上げでは、表面温度が100度以上となる月での動作テストが予定されています。
日本特殊陶業 研究開発本部 獅子原大介さん
「宇宙空間で充電、そして放電を 3、4か月間ずっと繰り返す。世界初の試験ができると考えております。研究者としてはすごく楽しみです」
一方、月への挑戦者をサポートする企業も。
三井住友海上は、ロケットの打ち上げから月面着陸までを補償する、世界初の「月保険」を開発しました。
三井住友海上 航空旅行宇宙課 濱村康介さん
「宇宙に行って、特に月に行くのは新しい挑戦だということで、保険会社がどっかやっぱりそのリスクを取らないと、事業者も進出していけない」
アメリカのアポロ11号が初めて月面に有人着陸してから半世紀。月での生活を目指す人類の新たな一歩が、いよいよ踏み出されます。
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