就活WEBテストで「替え玉」“全国初摘発” 専門家“割に合わない行為”と指摘【もっと知りたい!】(2022年11月23日)

就活WEBテストで「替え玉」“全国初摘発” 専門家“割に合わない行為”と指摘【もっと知りたい!】(2022年11月23日)

就活WEBテストで「替え玉」“全国初摘発” 専門家“割に合わない行為”と指摘【もっと知りたい!】(2022年11月23日)

 就職の採用試験で行うウェブテストで替え玉受検をしたとして、京都大学大学院卒業で関西電力の社員が逮捕されました。依頼者の替え玉として、およそ4000件の試験を受けていたとされています。

■およそ1000社を“替え玉受験”…400万円程度稼ぐ

 田中信人容疑者(28):「学生に感謝されて、やりがいを感じていた」

 田中容疑者のSNSに並ぶのは、経歴と実績をアピールした文言です。

 田中容疑者のSNS:「京都大学大学院卒。通過率95%以上。2科目4000円でウェブテスト代行します」

 田中容疑者は、このSNSでウェブテストの代行を宣伝して、なりすましを依頼した就活中の女子大学生から報酬として4000円を受け取っていたとされています。

 今年1月から7月の間に、およそ1000社を“替え玉受験”し、400万円程度稼いでいたという田中容疑者。

 都内に住む22歳の女子大学生は今年4月、就職試験で企業から付与されたIDやパスワードを田中容疑者に伝え、これを利用して田中容疑者が、試験を替え玉で受けた疑いが持たれています。

■代行は“主流になりつつある”

 学生の中には、それほど抵抗がなく、採用試験の代行サービスを利用している人も多いといいます。

 大学2年生:「(Q.ウェブテストで代行業者を使う人は?)います。友達なんですけど、1万円とか払ってやってもらってた」

 就職活動生:「ちょくちょく聞きますね。(代行が)主流になりつつあるという印象」

 かつて、ウェブテストを代行したことがあるという男性は、次のように話します。

 ウェブテストを代行したことがある男性:「正直バレないで就職の手助けになるんだったら、やってしまってもいいかなというのが正直なところ。犯罪行為であるというまでの認識はなかったです」

 なぜ、不正を行ってしまうのでしょうか。

 大学ジャーナリス・石渡嶺司氏:「ウェブテスト、適性検査の段階で選考に落ちてしまうという就活生がたくさんいる。だったら数千円払えば答えが分かる、あるいは替え玉受験をしてくれるということであれば、不正を分かっていてやってみようという就活生が、たくさんいるというのは残念ながら事実です」

 ウェブテストは、どんな問題なのでしょうか。一例を挙げます。

  例題、P、Q、R、Sの4人が1冊の本を順番に読んだ。4人の読んだ順番について、次のことが分かっている。

 1.Sの次にPが読んだ。
 2.最初に読んだのはRではない。

 Q.次の推論ア、イ、ウのうち、必ずしも誤りとはいえないものはどれか。

 ア.Qが2番目に読んだ。
 イ.Rが3番目に読んだ。
 ウ.Sが4番目に読んだ。

 選択肢のア、イ、ウ、それぞれの条件を照らし合わせていくと、答えはイとなります。

 このほかにも、言語能力を問う問題や、計算能力を測る問題などがあり、制限時間内に多くの問題を解かなければなりません。

■専門家「“替え玉受験”は割に合わない行為」

 今回、“替え玉受験”を依頼した女子大学生は、田中容疑者と同じ容疑で書類送検されました。

 ウェブテストの替え玉受験の摘発は、全国初のことです。田中容疑者は次のように話しました。

 田中容疑者の供述:「小遣い目的でやっているうちに学生に感謝されたり、就活の相談を受け、お金ももらえ非常にやりがいを感じていたが、違法性の指摘を受け、冷静に考えると、学生にも企業にも非常に悪いことをした」

 専門家は替え玉受験を依頼することは、割に合わない行為だと指摘します。

 石渡氏:「適性検査における替え玉受験は、簡単にできてしまうのは企業側もよく分かっています。そこで、2回目の受験を課すとか、あるいは、中盤終盤の面接で口頭試問で数学の問題を聞くことをやれば、簡単に不正対策はできる。替え玉受験というのは、序盤の選考では通過率が高かったとしても、内定までにはいかない。全くおいしくない代物です」

(「グッド!モーニング」2022年11月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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