パリ・オリンピックから正式種目 スポーツダンス「ブレイキン」 世界大会が開催|TBS NEWS DIG
再来年のパリ・オリンピックから正式種目となるスポーツダンス「ブレイキン」。世界大会がこの週末、ニューヨークで開かれました。実は、ニューヨークは「ブレイキン」の“発祥の地”。躍動した日本人選手たちと競技のルーツを取材しました。
20か国から集まった選手たちがヒップ・ホップ音楽にあわせてアクロバティックな技を繰り出したブレイキンの世界大会。日本から参加した選手たちは、ある特別な思いでこの場にいました。
ISSINさん
「ニューヨークという本場の場所に行きたいという気持ちはあったので、ニューヨークで踊れて、すごく嬉しいですね」
YU-KIさん
「ニューヨーク全体がヒップ・ホップだなというのがすごく出ていて、そこは結構びっくりしました」
大会でジャッジを務めたビクター・アリセアさん。地元ニューヨークで「キッド・グライド」として、その名を轟かすダンサーです。
そのキッド・グライドさんに“ブレイキン発祥の地”、ニューヨーク・ブロンクス地区を案内してもらいました。一見、普通のマンションに見えますが、ラテン系、アフリカ系住民が多いこの場所こそがブレイキンの聖地です。
キッド・グライドさん
「あのサインが見えるだろ? ここはヒップ・ホップ通りっていうんだ。ここに来るといつもゾクゾクするよ。初めてヒップホップ・パーティーが行われた場所なんだ」
ブレイキンは1973年、曲の間奏の「ドラム」部分だけをつないだ「ブレイクビーツ」で人々が踊ったのが始まりと言われています。
キッド・グライドさん
「みんな貧しい生活を送るなか、DJがヒップ・ホップの音楽をかけてパーティーを開き、楽しいひと時を送っていたよ。みんなが積極的に自己表現ができる場所だったんだ」
ブレイキンは、貧困に苦しむ人々の自己表現と癒やしの場になっただけではありません。
ブロンクスはかつてギャングの抗争も絶えず、治安の悪さで知られていたのですが、暴力ではなくダンスで争いを収めるという動きも広がったのです。
キッド・グライドさん
「ブレイキンをやっていたギャングのメンバーは、けんかじゃなくてダンスをしたかったんだ。盗みや人殺しをする生活じゃなくて、自己表現をするという大きな夢を持っていたんだ」
ブレイキンでは、1対1の試合を今でも「バトル」と呼びますが、その背景にはこんな歴史があったのです。
現在は若手の育成にも励んでいるキッド・グライドさん。貧困と暴力に打ち勝つ…、ブレイキンのルーツと意義が若い世代にも伝わることを願っています。
キッド・グライドさん
「(世界中からきた)選手たちはここに来ることで本当のブレイキンの文化に触れることができるんだ。ブレイキンのエッセンスはニューヨークにあるのだから」
ブレイキン誕生から50年。暴力を無くしたいという思いで広がったダンスは、平和の祭典・オリンピックでさらに輝くことになりそうです。
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