介護業界の倒産が“過去最多” 「利益が半分弱に…」コロナで利用控えや物価高影響|TBS NEWS DIG
長引くコロナの流行や物価高の影響を受け、今年倒産した介護事業者の数が過去最悪のペースで増えています。“第8波”が迫る中、経営はさらに悪化するおそれもあり、不安の声も上がっています。
東京・足立区にあるデイサービス施設。高齢者が日帰りで食事や入浴などの介護サービスを受けています。
施設利用者(85)
「普段一人暮らしよ。いいよね、こういうところは。みんなやってくれるし。こういうところ毎日来ていたい」
高齢者にとって住み慣れた地域での交流の場にもなっていて、大切な役割を果たしています。
しかし今、こうした介護事業者の多くが厳しい経営状況に追い込まれています。
デイサービス施設 運営会社 木村講平 取締役
「(車両費が去年より)16万円くらい上がっている。かなり厳しい」
こちらの施設では、長引くコロナ禍で利用を控える高齢者が相次ぎ、収入が減ったといいます。そこに拍車をかけているのが、物価高の影響です。
衛生用品などの備品のほか、送り迎えする際の車のガソリン代などの経費も増え、経営状況は日に日に厳しくなっているといいます。
デイサービス施設 運営会社 木村講平 取締役
「(経費が)去年9月と今年9月で比べて、およそ1.25倍ぐらいは上がっている。利益で言うと半分とまでは言わないが、かなり削られている。こちらで価格転嫁をして、『利用者に負担を』ということは基本的にはできない」
そもそも、介護サービスの報酬は国によって支払われる価格が基本的に決められているため、備品などが値上がりしても、事業者が価格を変えることは難しいのです。
苦境に追い込まれた介護事業者は全国的に広がっています。
信用調査会社「東京商工リサーチ」によりますと、今年1月から9月に倒産した介護事業者の数は、全国で100件に上るといいます。前の年の2倍近く、年間では過去最悪の倒産件数になる見込みです。
介護福祉士 坪井翔馬さん
「食費・日用品もそうですけど、一番私達のデイサービスは『お出かけ』を売りにしているので、ガソリンの値上がり結構痛い」
さらに、懸念されているのがコロナ感染“第8波”。厚労省がきょう発表した全国の感染者の数は3万7555人。前の週の月曜日と比べておよそ6000人増えています。
感染が再び広がることで、高齢者の“利用控え”に繋がるおそれもあります。
デイサービス施設 運営会社 木村講平 取締役
「通所介護に関しては、最大で1日10名の利用者がいる。人数が少ないので、1人来ないとなるとかなり影響大きい。補助金とかも縮小傾向なので、“第8波”以降に関しては不安」
高齢化が進む日本にとって、介護施設は社会を支える大切なサービスのひとつです。迫りつつある“第8波”に向け、早急に手厚い支援体制を組むことが求められます。
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