来年“2000品目超”値上げか 「円安」要因…家庭、業者、生産者も悲鳴「何でも高い」(2022年11月2日)

来年“2000品目超”値上げか 「円安」要因…家庭、業者、生産者も悲鳴「何でも高い」(2022年11月2日)

来年“2000品目超”値上げか 「円安」要因…家庭、業者、生産者も悲鳴「何でも高い」(2022年11月2日)

 今月から牛乳をはじめ、多くの食品がまた値上がりしました。そんななか、来年さらなる値上げを予定する食品が2000品目を超えていることが分かりました。

■「乳製品」値上げに…スーパー苦悩

 都内のスーパーでは、食料品の値上げが相次ぐなか、消費者は我慢を強いられています。

 買い物客:「レシート見てびっくりする」「何でも高いなと思う」「パン高くなったんで買わなくなった。(昼食も)家でご飯炊いて、おにぎりで持って行ったほうが…」

 今年に入って、毎月のように押し寄せている“値上げの波”。帝国データバンクによりますと、今月値上げとなるのは焼き肉のタレなどの「調味料」をはじめ、「スナック菓子」や「酒類」など、合わせて833品目です。そのうち、牛乳やヨーグルトといった「乳製品」が、318品目を占めています。

 スーパーイズミ・五味衛社長:「ここにきて、止まることなく常に上がっている。1年かけて。卵とか小麦粉、油、ここにきて牛乳。牛乳は日持ちしないので、回転が早い商品。本当は安く売って、どんどん(客を)呼びたいが、できなくなった」

 東京・墨田区にあるスーパーも、1日から牛乳を値上げしました。先月31日まで179円で売られていた商品が195円になるなど、全体的に1割程度高くなっています。

 ヨーグルトなどの乳製品も、今月の入荷分から順次値上げに対応していくといいます。

 五味社長:「(牛乳は)一番安いところからだと。148円だったのが、今195円。油なんかは(去年)198円で売っていた油が、今430円ぐらい。『きょう、安いです』とは、お客さんには言えない。毎日使うものだから皆、厳しい思いしていると思う」

■Xmasケーキ 材料費が“約1.4倍”に

 クリスマスシーズンを前に、ケーキ作りに欠かせない牛乳や生クリームなどの乳製品に加え、スポンジに使われる小麦粉など、材料費が軒並み値上がり。

 さらに、ケーキの飾り付けで使う「ろうそく」なども、円安の影響で高騰しているといいます。

 アーモンド洋菓子店・米田幸介店長:「イチゴも上がってます。(栽培に)光熱費もかかる、輸送費もかかる、梱包(こんぽう)代もかかる。すべてのものが上がっている。(値段が)上がってないものを探すのが逆に大変」

 材料費は去年と比べると、およそ1.4倍に。この店では、クリスマスケーキを300円値上げせざるを得ない一方、通常のケーキは価格を据え置くといいます。

 米田店長:「お客さんが大変な時は協力しないと、という気持ちもある。お客様に支えられて、ここまで来てるので。何とか、今を乗り切っていくという感じ」

■「売っても売っても赤字」餌代が一日8万↑

 一方、生産者も限界にきています。

 小針牧場・小針勤代表:「とても経営面では難しい。原材料、要するにエサ代がすごく高騰している」

 この農家では、一日にかかるエサ代が、円安やウクライナ情勢の影響で、2年前と比べて8万5000円も増えています。

 小針代表:「牛は、基本的には草食動物なので牧草。牧草の良いやつをあげないと、決して良いことはない。売っても売っても、赤字になってしまうのでは。かなり厳しいと思う」

■来年“2000品目”値上げ…「円安」が要因

 相次ぐ食品の値上げ。ただ専門家は、まだ円安の影響は小さいと指摘します。

 経済評論家・加谷珪一氏:「今回の値上げは、春に発生したウクライナ侵攻。これの影響を大きく受けた値上げということで、少しタイムラグがある。円安の影響が本格的に波及してくるのは、年明け以降と予想されている」

 帝国データバンクも1日、注目の調査結果を明らかにしています。来年値上げを予定している食品は、すでに2000品目を超えていて、その多くは、「円安」が要因として挙げられているというのです。

 加谷氏:「日本企業は3月決算が多い。今、足元で円安が進んでいて、その価格を転嫁しなくてはいけないとなると、来年4月、新しい決算年度が始まる時期に、また値上げラッシュになる可能性が大きいのではないか」

(「グッド!モーニング」2022年11月2日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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