駆除に約2800万円…海の砂漠化を促す“売れないウニ”をエコなアイデアで商品化めざす|TBS NEWS DIG

駆除に約2800万円…海の砂漠化を促す“売れないウニ”をエコなアイデアで商品化めざす|TBS NEWS DIG

駆除に約2800万円…海の砂漠化を促す“売れないウニ”をエコなアイデアで商品化めざす|TBS NEWS DIG

シリーズSDGs「地球を笑顔にするウィーク」です。大量に増えたウニなどが海藻を食べ尽くす「磯焼け」が各地で深刻化しています。このやっかい者のウニに、これまで廃棄されていたあるものを与えて養殖し、商品化しようという取り組みが進んでいます。

記者
「海の中でひときわ目を引くのがこのイソギンチャクです。数十本ある触手が全て白く変色しています」

九州北部に位置する玄界灘。この数年、映画で人気になった熱帯魚・クマノミが定着しています。今年、そのすみかとなるイソギンチャクが白化しました。海水温が高くなりすぎて、共生する褐虫藻が姿を消したのです。

海面水温は100年で1.28℃上昇。アワビやサザエのエサとなる海藻が年々減少しています。

記者
「見渡す限り一面、ゴツゴツとした岩肌が広がっています。生物の数はそれほど多くありませんが、岩と岩の間にウニが潜んでいます」

海の砂漠化ともいわれる「磯焼け」です。海藻を食べ尽くすウニばかりが目につきます。海女発祥の地とも言われる福岡県宗像市でも磯焼けは深刻になっています。このウニ、中を見せてもらうと…

潜水漁師
「商売で取るウニとしたら物足りない」

福岡県では今年度、ウニの駆除におよそ2800万円の税金を投入していますが、駆除に頼らない取り組みも始まりました。

うどんの出汁を取った後に廃棄される昆布、野菜の切れ端、タケノコと3種類のエサでそれぞれ養殖しています。どのエサを与えたものかは伏せた状態で試食させてもらいました。

記者
A 廃棄野菜
「弾力もあって濃厚な味」

B 廃棄タケノコ
「Aよりも濃厚。後味はすっきり」

C 廃棄昆布
「ウニらしいおいしさを感じる」

3種類のエサで味や身入りがどうなるのか、検証を進めています。

九州大学大学院 栗田喜久准教授
「価値のないウニに与えることで、そこに新しい価値を生み出していく。その活動から藻場が保全されて、環境が改善されて、水産資源が増えて環境も良くなっていく」

北九州市に本社を置くうどんチェーンは、これまで廃棄していたうどんの出汁を取った後の昆布をウニのエサとして提供。将来、ウニを商品化することも検討しています。

うどんチェーン「資さん」 原田浩陽さん
「循環型経済で昆布を提供したウニを養畜して、育てたものを店舗で商品化できれば」

今年始まったウニの養殖事業。来年度には新たな養殖場を建設し、規模を年6万個まで拡大して、量産化の道を探ります。

磯焼けでやっかい者となったウニに廃棄物とされていたエサを与えて、新たな価値を生み出す。豊かな海を守るための取り組みが軌道に乗るのか注目されます。

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