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「努力にも限界がある」21日も円安水準を更新…生活圧迫“30年”ぶりの円安と物価高(2022年10月21日)
21日も円安が進み、一時1ドル151円台と32年ぶりの水準を更新しました。
また、9月の消費者物価指数は3%上昇で、こちらは31年ぶりです。
デフレが続いた「失われた30年」から一転、生活は苦しさを増しています。
今年で30周年を迎えた六本木の居酒屋『魚洋水産』では、仕入れの状況が日に日に厳しくなっています。
イカ肝炒めは開店当時から430円値上げ。国産が高くなり、タコも外国産に切り替えました。ただ、外国産も値上がりしていて、タコのから揚げは以前より200円値上がりしました。
魚洋水産・大場メリ代表(75):「(Q.こちらの天然マグロはアイルランド産と書いてありますね)仲買さんが探してくださって。日本のものは中国の言い値で買っちゃってるから、なかなか私の居酒屋で使えるような値段ではないわけ。買い付けの方が苦労されて(仕入れている)」
フランス産のシャンパンは仕入れ価格が500円値上がりしました。
「損得を考えず、おいしいものを安く提供したい」という思いで店を守り続けましたが、限界があります。
魚洋水産・大場メリ代表:「やっていけないもん。食材が入ってこないのと、値段を上げなきゃいけない。よく私30年やってきたなと思います。努力にも限界がある」
連日、耳にする「32年ぶり」という言葉。1990年は、日本中がバブル景気にわいていましたが、終焉の足音が急速に近付きます。
年明け3万8000円を超えていた日経平均株価は、10月になると一時2万円を割り込む事態に。10カ月で半値近くとなりました。
バブルがはじけると、低成長から抜け出せず、賃金も上がらない“失われた30年”とも呼ばれる長い停滞期に入ります。
物価が下がり続けるデフレに陥り、安い商品が当たり前の、世の中が続きました。
この30年、六本木の夜を見続けてきた大場さんはこう話します。
魚洋水産・大場メリ代表:「たくさん飲まない。給料があるから2~3杯で帰るね。昔みたいにべろべろになるまでは飲まない。財布と相談するんでしょ」
そこに、さらなる円安と物価高が追い打ちをかけます。
21日もまた32年ぶりの円安水準を更新し続けました。一日で約1円、円安が進み、151円を超えています。
外為どっとコム総合研究所・神田卓也調査部長:「2カ月程度で1ドル140円から150円に円安が進んだことを考えると、年内残り2カ月あまり、1ドル160円も十分、射程圏内」
「150円は完全な通過点」との見方が広がるなか、鈴木財務大臣は、これまでと同じコメントを繰り返しています。
鈴木財務大臣:「投機による過度な変動は容認できない。過度な変動に対しては、適切な対応を取りたい」
円安の影響は家庭にも。家庭で消費するモノやサービスの値動きをはかる『消費者物価指数』は、去年9月と比べて3.0%上昇しました。
消費増税の影響を除くと、上昇率が3%台に達したのは31年ぶりです。
物価が急上昇するなか『魚洋水産』で聞いてみました。
(Q.日常生活に、いま、どんな影響が出ていますか?)
利用客:「みんな高いですよね。スーパー行っても。きのうはちょっと買い物したら5000円、6000円。小さいしょうゆだったところを、割安な大きいしょうゆにして」
利用客:「電気代は上がりましたよ。リモートワークしてから特に。ずっと2人とも家にいて仕事して、ずっとPCをつけっぱなしだもんね」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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