『死刑執行までの2日間の音声』「家族との面会」も録音 死刑囚が裁判の証拠で提出(2022年10月21日)

『死刑執行までの2日間の音声』「家族との面会」も録音 死刑囚が裁判の証拠で提出(2022年10月21日)

『死刑執行までの2日間の音声』「家族との面会」も録音 死刑囚が裁判の証拠で提出(2022年10月21日)

死刑が当日に告知されるのは違法だとして、10月21日、死刑囚側が約70年前の「死刑を控えた男の2日間の音声」を裁判の証拠として提出しました。

 「それじゃあ、姉さん、長い間ありがとうございました。どうかお母さんのことよろしく」

 これは死刑囚に死刑が執行される数時間前の音声の内容です。1955年に当時の大阪拘置所の所長が、死刑が執行されるまでのやりとりを関係者に秘密で録音していました。

 現在は当日に行われている死刑執行の告知。今から約70年前は執行の2日前に行われるケースもあり、最期の2日間には様々な時間が設けられていました。

 【1955年の音声】
 (死刑囚)「こんな悪いこと、あんな悪いことしなんだらよかった。今になって思うんです」

 職員や死刑囚らによる送別のお茶会が開かれ、参加者全員で「蛍の光」を合唱。

 【1955年の音声】
 (職員)「(死刑囚と)近く別れをせねばならんことになって、きょう送別のお茶の会を催すことになったわけであります」

 死刑囚の姉は2日続けて面会に訪れました。

 【1955年の音声】
   (死刑囚)「子どものこと、女房のことお願いします」
 (死刑囚の姉)「しっかりしな」
    (職員)「最期ですから手をしっかり握ってやってください」
   (死刑囚)「姉さん、さようなら」

 死刑囚は刑場に連れていかれ、職員らと最期の挨拶。そして死刑が執行されました。

 現在は、死刑囚に対して刑の執行を告知するのは約1~2時間前といわれています。その理由を去年12月、当時の古川禎久法務大臣は次のように述べました。

 (古川禎久法務大臣※当時)
 「先だって告知をすることによって、本人の心情に著しく害を及ぼすおそれがあると懸念しているからです」

 ただ、こうした運用は法律には定められていないことから、去年11月に死刑囚2人が「憲法などに違反する」として、国に損害賠償や事前の告知を求めて提訴。その裁判で原告側は今年10月21日にこの音声テープを提出し、「事前に告知したとしても心情を害するおそれはない」と主張しました。

 (原告代理人 笹山将弘弁護士)
 「死刑囚同士の関わりがあったりつながりがあったり、家族との血の通った交流があったり、そういうことを実態として出すことでよりリアルですよね、人として。そういう効果があるだろうと理解しています」

 国側は「告知時期は法務大臣の裁量の範囲内」だとして争う姿勢を示しています。

▼MBS NEWS HP
https://ift.tt/4lILwpf

▼最新ニュースや特集を毎日配信 チャンネル登録お願いします!
https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1

#死刑囚 #音声 #当日告知 #面会 #MBSニュース #毎日放送

MBSnewsCHカテゴリの最新記事