【開業10周年】東京スカイツリー「特別ライティング」…“10年間撮影”男性の思い(2022年10月21日)
東京スカイツリーが開業10周年を迎え、21日から特別なライティングを行う。開業から10年間ほぼ毎日、撮影し続けてきた男性を取材。タワーとともに成長する街の変化が見えてきた。
■“開業10周年”東京スカイツリー
東京スカイツリーでは20日、開業10周年を記念した、特別ライティングの点灯式が行われた。
このライティングのデザインは、一般公募761作品の中から最優秀賞に輝いたものだ。
受賞した静岡県在住の女性は、このデザインについて「スカイツリーは、私たちを見守ってくれる『大きな木』のような存在。この先も多くの人に愛され続けてほしい」との思いを込めたという。
20日、東京スカイツリーを10年間ほぼ毎日撮り続けてきたという男性を取材した。
これまで、184種類のライティングを撮影してきたという男性が、特に印象に残っているライティングとは?
■“10年間毎日”撮影続ける男性
“哲さん”こと、新湯哲生さん(59)。浅草在住で、東京スカイツリー開業以来、10年間ほぼ毎日、撮影を続けているという。
新湯さん:「場所は、ここじゃないとダメなんですよ。一番最初に、何も考えずにここから撮り始めて。ずれると、形がちょっと変わるので」
20日も、哲さんお気に入りの場所で、開業10周年を記念した「特別ライティング」の点灯を狙った。
新湯さん:「これですか。今までには見たことない感じではあります。新しさはあります」
10周年記念のライティングも写真に収めた哲さんだが、なぜ、10年もの間、スカイツリーを撮り続けているのか?
新湯さん:「誰も見たことがない世界一の電波塔というものが、しかも墨田区に、どんなものになるのかという。ワクワクしてきまして、これはちょっと記録として、収めておこうかなというのが始まりですね」
■印象に残る「光の3原色」「明花」
哲さんいわく、スカイツリーはこれまで、ライティングを通じて多くのメッセージを発信してきたという。
印象に残っているライティングを聞いてみた。
新湯さん:「2014年に、青色LEDがノーベル賞取った時に、光の3原色を点灯させたんですね」
2014年12月、青色発光ダイオードの開発で、3人がノーベル物理学賞を受賞した際には、青・緑・赤、「光の3原色」で受賞を祝った。さらに…。
新湯さん:「東日本大震災の復興のライティングで、『明花』という名前なんですけど」
2014年から、毎年3月11日に点灯される「明花」。被災した日本を花に例え、しぼんだ花が種を残し、再び咲くという復興への気持ちが込められたライティングだ。
中でも、マリーゴールドという赤いグラデーションが印象に残っているという。
その時々に、込めた思いを発信し続ける東京スカイツリー。その思いをこれからもカメラに収めていきたいと、哲さんは話す。
新湯さん:「今まで10年間ずっと撮り続けたうえで、撮り逃せないという、そこのこだわりですね。そこがモチベーションになっていますね。まだ、今後もどんどん増やしていきたいかと思っています」
■スカイツリー誕生で“街に活気”
開業10周年を迎え、街の色も変わったという。
墨田区一帯は戦後、中小工場の町として復興し、高度経済成長期を支えるとともに、東京の下町文化を育んだ。
1970年には、工場はおよそ1万軒あったが、スカイツリー建設が始まる2008年には、3分の1ほどにまで減少した。
街から活気が失われていくなか、2012年に東京スカイツリーが開業した。
スカイツリーを10年間撮影し続けてきた新湯さんは、「スカイツリーが開業する前は、地元の人しかいないような街だったが、開業後は、それまであまり見なかった外国人観光客の姿が増えているのを実感している」と話している。
■「相乗効果をもたらしている」
どれくらいの人が訪れているのかというと、去年、東京スカイツリータウン全体では、来場者数が累計3億人を突破した。
また、2018年に墨田区が公表した調査では、墨田区を訪れた外国人観光客の88.7%が、東京スカイツリーを含めた、東京スカイツリータウンを観光目的にしていたという。
2018年の墨田区の観光消費額は、推計でおよそ4200億円だという。
新湯さんは、スカイツリーのある墨田区と隣接する台東区の浅草に住んでいるということだが、「スカイツリーから浅草へ流れる観光客や、逆に浅草からスカイツリーへ流れる観光客が増え、そうした相乗効果をもたらしている」と話している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年10月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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